STUDENT DECISION RECORDS

「“自分の弱さ”を受け入れた時、彼は自分の全てをチームに懸けた」#SDR28-0004

INTERVIEW & TEXT

笹原 哲

2026.04.20

STUDENT DECISION RECORDS

ReWrite Career が出会った学生の「意思決定」を記録するメディアです。

学生プロフィール

京都大学法学部3年、栃木県出身。
現在、体育会サッカー部のアナリスト兼戦術リーダーとして組織改革に挑戦中。

幼少期は“目立つこと”を軸に生きていたが、
小4で恩師と出会い自身のいる「世界の狭さ」に気づく。

プレイヤーとしてサッカーに打ち込むも、大学で怪我と評価の壁に直面。
現在は「個人ではなく組織で勝つ」という課題に向き合っている。

空虚な自分を受け止め、全てを捧げる。

周囲が“ピッチで輝くこと”を追い続ける中、彼はその場所を手放した。
その背景にあったのは、「ピッチに立てない自分は終わりなのか」という葛藤だった。

“自分は、ここで終わる人間なのか?”

その問いから逃げなかった結果が、今の挑戦につながっている。

【学生時代に成したいこと】

彼が成し遂げたいのは、“自分がいなくても回る組織”を残すことだ。

目標はチームの2部昇格。

しかしそれと同じくらい重視しているのは、

  • 目的を持って動く組織

  • 誰がやっても再現できる仕組み

  • 後輩が引き継げる状態

「自分がいたから勝てた」ではなく、
“自分がいなくても勝てるチーム”を作ることに価値を置いている。

【その道を選ばざるを得なかった理由】

もともと彼は、
「サッカーはピッチで輝いてこそ価値がある」と考えていた。

しかし大学で、現実に直面する。

  • 度重なる怪我

  • 評価のリセット

  • ミスを恐れ消極的な自分

いつしかサッカーは
“評価されるための行為”に変わっていた。

「楽しくない」

そして決断する。

プレイヤーを、そして、サッカー部をやめること。


【復帰の覚悟が定まった瞬間】

部を離れていた期間。欠かさず試合を見に行っていた。

全力で戦う選手たち。
そして誰よりもサッカー部員よりも声を枯らして応援する自分。

転機は、帰り際、選手からの一言。

「応援ありがとう」
「一番声出てたぞ」

その時、気づく。

「外からでも、チームに影響を与えられる」

そこで初めて、理解した。

“ピッチの外にも、戦い方がある”


【捨てたもの】

彼が手放したのは明確だ。

  • プレイヤーとしての自分

  • ピッチで評価されるという価値観

  • “自分が主役である”という前提

さらに、日常も捨てた。

  • 地元に帰る時間

  • 趣味(映画・アニメ)の時間

  • お金と余裕(最低限のバイトのみ)

「自分の全部をチームに使う」

そう決めている。


【意思決定の軸】

「今しかできないか」

この仲間、この環境、この時間。

すべては“今だけ”。

だから、全てを賭ける価値がある。

そして、再入部を許してくれて仲間に、絶対答えたい。


【原体験におけるポイント】

彼のこの意思決定を支えたのは、小学4年生の時の出来事だった。

「こんな狭い世界で威張ってても意味ないぞ」

恩師の一言。

それまで“地元ではできる側”だった彼は、
初めて自分の小ささを知る。

さらに、選抜チームでの経験。

周囲は自分より上の選手ばかり。
その中で感じた恐怖。

「自分って、この程度なんだ」

この“世界の広さ”を知った経験が、
自分に意固地にならず、チーム貢献できる役割を意思決定できた原点になっている。


【現在の挑戦】

最大の壁は、
“チームを一つにすること”

  • 新しい体制への移行

  • それぞれの立場で様々な意見のある選手たち

その中で、彼は中間に立つ。

  • 選手の声を拾う

  • コーチに伝える

  • 方向性を決める

しかし難しいのはここだ。

「どこまで聞いて、どこで決めるのか」

全員の意見を聞けば、決まらない。
切り捨てれば、不満が出る。

その中で、最大限チームの成果を出す天秤と覚悟を持って決める。


【誰に、何を返したいか】

彼の成功の定義は、3つ。

1つ目。
2部昇格

2つ目。
チームメイトからの一言。

「歌生人が戻ってきてくれてよかった」

3つ目。
母親からの言葉。

「歌生人らしいね」

自分で決めたことを、最後まで、結果が出るまでやり切る。

それが、彼の“らしさ”だからだ。


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