STUDENT DECISION RECORDS

「団体活動をやり切ったその先。“青春の1ページを創る” 更なる挑戦へ踏み出す理由」#SDR28-0012

INTERVIEW & TEXT

和泉 圭佑

2026.05.01

STUDENT DECISION RECORDS

ReWrite Career が出会った学生の「意思決定」を記録するメディアです。

学生プロフィール

金沢大学3年、群馬県出身。
ゼミとインターンにも取り組みながら、学生団体SFTの関西地区代表を務めている。彼はもともと”本気で仲間と挑戦できる環境”を探し人の良さと成長環境の観点でSFTへ入る。

いまの挑戦は、関西地区のメンバーにとってこの1年を「青春の1ページだった」と言える組織をつくること。その背景には、中学剣道部で味わった濃い一体感と、高校テニス部で味わった孤立感の両方がある。

仲間と熱くなれる、青春の1ページを創るために

周囲が、学年の変わり目に団体を辞めたり、無理のない範囲で活動を続けたりする中で、彼はあえてSFT関西地区代表という重い役割を引き受けた。

彼が目指しているのは、ただ組織を回すことではない。「主体性× 仲間 ×目指したい目標」がそろった時間を、関西地区のメンバー全員にとっての青春の1ページにすることだ。

高校時代に人間関係で孤立した彼にとって、それは役職ではなく、もう一度“本気で誰かと何かをやり切る場”を取り戻す挑戦でもある。

【学生時代に成したいこと】

彼が学生時代に成したいのは、SFT関西地区を、活動が終わったあとにメンバー全員が「あれは青春だった」と振り返れる場所にすることだ。

多くの学生が、大学生活を単発の思い出や経験値の積み上げで終える中で、彼は1年間を通して熱量をかけ、仲間と同じゴールを追い、卒業後も結婚式に呼び合えるほどの関係性が残る組織をつくろうとしている。

加えて、売上を上げることで団体の国際支援にもつなげ、先輩から受け取った成長機会を次の世代へ返すことまで見据えている。

【その道を選ばざるを得なかった理由】

彼がこの道を選んだ理由は、国際支援への純粋な関心が出発点だったからではない。むしろ、他のメンバーが「社会課題」や「ボランティア性」に惹かれて入る中で、彼は人の良さとビジネス経験を求めてSFTに入った。

だからこそ途中で、ゼミやインターン、新しいプロジェクトに時間を振る選択肢も現実的にあった。それでも代表を選んだのは、1年後の自分を思い描いたとき、別の挑戦をしている自分よりも、この仲間たちと本気でやり切って笑っている自分のほうが、はっきり幸せそうだったからだ。


【原体験における共鳴ポイント】

彼の原体験は大きく二つある。

ひとつは、中学時代の剣道部だ。祖父の厳しい指導のもとで剣道を始め、「やるなら本気でやる」「中途半端にやるくらいならやらないほうがいい」という価値観が育った。さらに、中学では全国優勝経験のある顧問のもと、全部を教えてもらうのではなく、自分で足りない7割を埋めにいく感覚を身につけた。

もうひとつは、高校のテニス部での挫折だ。自分たちの代をつくろうと意気込んだのに、部員が次々に辞め、最終的には2人になり、相方とも関係が疎遠に。中学で味わった“熱量のある共同体”と、高校で味わった“孤立し崩れる共同体”。この対照的な経験がいま、彼に「豊かな人間関係のある組織を自分でつくりたい」と思わせている。


【覚悟が定まった瞬間】

覚悟が定まったのは、学生副代表の言葉を通して、「大学生活で一貫してやり切ったことは、その後の自分の軸になる」と腹落ちした瞬間だった。

1年でメンバー、2年で執行代、3年で地区代表という流れは、ただ“きれいな昇格”に見えたからではない。周囲が活動をやめたり、別の挑戦に移ったりする中で、自分だけはこの場所で積み上げ切ることに意味があると気づいたからだ。

決め手はシンプルで、1年後を想像したとき、SFTの仲間と本気でやり切った先にある笑顔のほうが、他のどの未来より鮮明だった。

【捨てたもの】

彼がこの挑戦の裏で捨てたものは軽くない。まず捨てたのは、ゼミやインターン、新しいプロジェクトにもっと深く乗れるはずだった成長機会の配分だ。

何を広げ、何を捨てるかを迫られる中で、彼は代表という責任に時間を寄せた。さらに大きかったのは、目的のないまま笑っていられる“薄く広いコミュニティ”だ。以前は、深い理由がなくてもご飯に行き、何となく笑い合える関係があった。

だが代表を選んでからは、食事一つも「目的を持って行く」ものに変わり、気楽に流れていく大学生活の余白はなくなった。彼が手放したのは、単なる遊び時間ではなく、責任を背負わずに済む身軽な学生生活そのものだった。


【意思決定の軸】

「1年先の仲間の笑顔を作りたい」 

決め手はシンプルで、1年後を想像したとき、SFTの仲間と本気でやり切った先にある笑顔のほうが、他のどの未来より鮮明だった。


【現在の挑戦】

いま彼が越えようとしている最大の壁は、人を信じて任せ切ることだ。

高校時代に人間関係が壊れた経験が残っているからこそ、他人にタスクを預けるとき、どこかで「裏切られるかもしれない」「自分で持ったほうが早い」と考えてしまう。結果として、相手の120点を信じるより、自分が管理できる60点で設計してしまう。

多くの代表が“理想を掲げること”に苦しむなら、彼の壁はむしろ逆で、仲間の可能性を信じて、背伸びする役割を渡せるかにある。


【誰に、何を返したいか】

彼が返したいのは、関西地区のメンバーや同期、後輩に対する「青春」だ。

活動が終わったときに、

「あの1年、最高だった」

「青春の1ページだった」

と言ってもらえる状態を返したいと思っている。それは、単なる満足感ではなく、熱量をかけ、仲間とゴールを追った記憶として残るものだ。

同時に、自分を育ててくれたSFTという団体そのものにも、売上や組織の継承という形で恩返ししたいと考えている。周囲が“自分が何を得るか”を基準に動きやすい学生時代に、彼は“仲間に何を残せるか”を基準に、最後の1年を賭けている。


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