STUDENT DECISION RECORDS

努力が報われない絶望を知る彼女が、SFTで『誰も独りにしない組織』を作る理由#SDR28-0022

INTERVIEW & TEXT

和泉 圭佑

2026.05.21

STUDENT DECISION RECORDS

ReWrite Career が出会った学生の「意思決定」を記録するメディアです。

学生プロフィール

福岡県出身、立命館アジア太平洋大学(APU)アジア太平洋学部に通う学生 。

学生ボランティア団体「STUDY FOR TWO(SFT)」の中四国・九州地区代表を務める 。

幼少期から好奇心旺盛で、中高時代は吹奏楽部に全てを捧げてきた 。

高校最後の大会での理不尽なほどの敗北という挫折を経験しながらも、現在はSFTで「孤独に頑張る支部」を救い、メンバー全員が同じ目標に向かって熱狂できる組織づくりに奔走している 。

あの時の決意。同期と自分たちの挑戦を誇れるために

中四国・九州地区という広大なエリアをまとめるSFT地区代表の彼女。

拠点間の距離が遠く、メンバー数も少ない支部が散見されるこの地区において、彼女が目指しているのは「各支部が自立×自律し、メンバー全員が『SFTに入ってよかった』と心から思える組織」にすることだ 。

高校時代、吹奏楽部で「努力しても報われないことがある」という残酷な現実を味わった彼女だからこそ、同じ目標に向かって足並みを揃え、泥臭く共に歩む仲間の存在を誰よりも大切にしている 。

【学生時代に成したいこと】

彼女がSFTの活動を通じて成し遂げたいことは、中四国・九州地区の各支部が自立×自律し、それぞれのポテンシャルを最大限に発揮できる状態を作ることだ 。

そして何より、活動するメンバー自身が「このサークルに入ってよかった」と実感できる居場所を構築したいと願っている 。

【その道を選ばざるを得なかった理由】

彼女が地区代表という重責を背負う道を選ばざるを得なかったのは、「孤独に頑張る仲間を見て見ぬ振りができなかったから」だ 。

自身の所属するAPU支部はチームワークが良く恵まれた環境だったが、他大学の同期が、少ない部員数の中でたった1人で組織を支え、もがいている現実を知った 。

かつて吹奏楽部で「チーム全員で一つの目標に向かう喜び」を骨の髄まで知っている彼女にとって、同じ志を持つ仲間が孤独に苦しむ状況は耐え難く、自分がサポートに回るしかないと強く突き動かされたのである 。


【原体験における共鳴ポイント】

彼女の原体験は、高校時代の吹奏楽部での挫折にある 。

1年生からコンクールメンバーに選ばれるなどエリート街道を歩み、2年生の後半からは音楽面のリーダーとして部を牽引してきた 。

しかし、集大成である3年生の夏の大会。周囲からも「絶対に行ける」と期待され、圧倒的な努力を重ねたにもかかわらず、まさかの県大会予選敗退という結果に終わる 。

泣き崩れる仲間たちと共に、「努力しても報われないことがある」という理不尽さを痛感した 。

しかし同時に、学生主体で練習計画を立て、足並みを揃えて高いレベルを目指したあの日々の熱狂が、今の彼女の「チーム作り」の確固たる原点となっている 。


【覚悟が定まった瞬間】

大学入学後、SFTに入団したものの、最初の半年間はミーティングばかりで活動の意義を見出せずにいた 。

しかし、1年時の終わりに全国のメンバーが集まる合宿に参加したことで世界が変わる 。

全国各地で同じ悩みを抱えながらも熱く語り合う仲間たちに出会い、自分がSFTで何をしたいのかが明確に言語化されたのだ 。

この合宿での仲間との出会いの中で、「同期を支えたい」という想いが重なり、支部への全力コミットの覚悟が定まった。そして、コミットする中で、前任の地区代表からの後押しもあり、地区代表に挑戦したい思いが強くなった 。

【捨てたもの】

彼女が今の活動にフルコミットする中で手放したのは、「広く浅い、無理に合わせる人間関係」だ 。

国際色豊かで多様なバックグラウンドを持つ学生が集まるAPUにおいて、モチベーションや価値観が合わないと感じる層とのコミュニケーションは思い切ってシャットダウンした 。

自分が本当に興味を持ち、心から関わりたいと思える仲間との時間にのみ、自身のリソースを集中させている 。


【意思決定の軸】

彼女の意思決定の軸は、「自分のワクワクする好奇心」と、「熱く語り合える仲間の存在」だ 。

幼い頃から何事にも好奇心旺盛に飛び込み、努力の仕方を知っている彼女は、行動することへの恐れがない 。

そして何より、同じ熱量を持って意見をすり合わせ、本音で語り合える仲間がいる環境こそが、彼女が挑戦を選ぶ最大の決め手となっている 。


【現在の挑戦】

いま彼女がぶつかっている最大の壁は、オンラインベースのコミュニケーションの中で「メンバーとの熱量向上」をどう実現するかだ 。

SFTの最終目的である国際支援・教育支援だけでなく、サークルのようなコミュニティに属することを幸せに感じるメンバーもいる。

多様なメンバーがいる中、いかにして同じ理念に向かって走ってもらうか 。連絡の頻度や返し方一つから悩み抜き、全員のモチベーションを底上げするための泥臭い試行錯誤を続けている 。


【誰に、何を返したいか】

彼女がすべての活動をやり切った先で一番言葉を交わしたい相手は、「共に走り抜いた同期たち」だ 。

APUの同期、孤軍奮闘していた長崎大学の同期、そして一緒に悩み抜いたもう一人の地区代表 。

彼らと肩を並べ、「お互い頑張ったよね。一緒にやってきて本当によかったね」と笑い合って労い合うこと。

それこそが、彼女がこの過酷な挑戦の果てに心から望んでいる最高の瞬間である 。


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