STUDENT DECISION RECORDS
INTERVIEW & TEXT
和泉 圭佑
STUDENT DECISION RECORDS
ReWrite Career が出会った学生の「意思決定」を記録するメディアです。
埼玉県吉川市出身、津田塾大学に通う学生。
フィリピンでの教室建設を行う学生団体「ALPHA」の代表を務めた。
幼少期は物怖じしない性格だったが、小学校での入院経験を機に「努力してできないことを克服する楽しさ」を知る。
中学の英語弁論大会での挫折や、高校の少林寺拳法部など、常に自らを厳しい環境に置き、努力し続けることで成長してきた。
大学ではALPHAの危機的状況を目の当たりにし、「自分が変える」と代表に就任。現在は団体の立て直しを経て、インドでの海外営業インターンというビジネスの最前線へと新たな挑戦の歩みを進めている。
途上国での教室建設という壮大なビジョンに惹かれて入団した学生団体は、部員から自腹でお金を徴収しなければならないほど財政が崩壊していた。
「自分が思い描いていたボランティアとは違う」——
そう落胆した彼女は、そこで去るのではなく、自ら代表となって組織を根本から作り直す道を選んだ。幼少期の入院体験や数々の挫折を経て、「努力できる環境」を貪欲に求め続けてきた彼女。
結果よりも過程の「自己成長」にワクワクする彼女が、団体改革、そしてインドでのビジネスインターンに挑む軌跡に迫る。

彼女がALPHAの代表として最も成し遂げたかったのは、「集めた資金だけで継続的にフィリピンに教室を建設できる状態」にすること、そして「人が代わってもその良い状態が続く『仕組み』を作ること」だ。
自分自身がフィリピンを何度も訪れ、現地の人の感謝と笑顔の重みを知っているからこそ、一過性の支援ではなく、後輩たちが自腹を切らずに誇りを持って活動できる健全な組織を残したいと強く願ったのである。
彼女が困難な代表という道を選ばざるを得なかったのは、彼女の中に「問題があるなら自分が変えていく」という強い信念と、「努力した先の達成と成長への喜び」があったからだ。
この価値観の原点は小学2年生の時の入院体験にある。長期間授業から遅れた彼女は、必死に勉強して追いつき、100点を取ることで「できなかったことができるようになる快感」を知った。
それ以来、中学の英語弁論大会での敗北や、高校であえて一番厳しい少林寺拳法部を選んだように、彼女は常に自分を追い込み、努力せざるを得ない環境を選び取ってきた。
ALPHAの危機的状況は、彼女にとってまさに「自分が動いて変えるべき、最高の自己成長の舞台」に他ならなかったのだ。

彼女のリーダーシップの形は、高校の体育祭で女子クラスの団長を務めた経験に色濃く表れている。
優勝を目指す中で、団員の熱量の濃淡で軋轢が起きた。その際、彼女は感情論でまとめようとするのではなく、「この役割ならお願いできる?」とタスクを細分化し、それぞれの適性に合わせて明確な役割を与えるという論理的なアプローチでクラスを束ねた。
「自分の感情はコントロールできても、他人の感情はコントロールできない」。
その冷静な人間観察と、弱みを見せながら周囲を巻き込む手腕は、現在の組織運営にも通じる彼女の大きな武器となっている。

代表として団体の改革に挑む覚悟が完全に定まったのは、新歓合宿での同期との会話だった。
団体の危機的状況に「このままじゃフィリピンの人たちが悲しむ」と彼女が思わず涙を流した時、同期は「それを変えるんでしょ」と力強く背中を押してくれた。
さらに、その同期がグループLINEで全員に協力を呼びかけ、メンバーたちが温かいリアクションを返してくれた時、彼女は「自分一人ではなく、みんなが応援してくれている。これなら絶対にやれる」と確信し、前を向くことができた。


彼女が団体の立て直しと自身の成長のために捨てたものは、「普通の大学生としてのオフの時間」だ。
昼休みになれば同じ団体の仲間と集まって熱い議論を交わし、それ以外の時間もスライド作成や組織の業務に追われた。国内旅行をして遊ぶような時間も削り、「アルバイトとALPHA」に大学生活のほとんどの時間を捧げた。
彼女の意思決定の軸は、常に「自己成長」である。
結果が成功するか失敗するかよりも、「その過程から何を学べるか」「次の自分にどう活かせるか」を重視している。
だからこそ、結果に対する恐怖心が少なく、困難な状況や未知の環境であっても、躊躇することなく大胆に挑戦のステップを踏み出すことができる。
代表を退いた彼女が現在挑戦しているのは、インドでの海外営業インターンだ。
これまでNGOや途上国支援(JICAなど)という文脈でしか世界を見てこなかった彼女が、あえて「ビジネス」や「数字(ノルマ)を追うこと」に身を投じた。
論理的に戦略を立てることと、相手の感情を汲み取る泥臭い営業の融合に面白さを見出し、社会に出る前に圧倒的なビジネススキルを身につけようと奮闘している。

彼女がすべての活動を通して一番言われたい言葉、そして後輩たちに返したいものは、「ALPHAに入ってよかった」という一言に尽きる。
自分が奮闘し、仕組みを整えた団体で、後輩たちが理不尽な思いをせずに純粋に支援の喜びを感じてくれていること。
その言葉を聞くことこそが、彼女の努力が報われ、団体の未来が続いていくと実感できる最高の瞬間なのである。
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