STUDENT DECISION RECORDS

『お前は絶対泣くな』全国の舞台で受けた愛ある鞭。彼が成蹊蹴球部で“殻を破る”リーダーを目指す理由#SDR28-0033

INTERVIEW & TEXT

和泉 圭佑

2026.05.27

STUDENT DECISION RECORDS

ReWrite Career が出会った学生の「意思決定」を記録するメディアです。

学生プロフィール

北海道出身、成蹊大学に通う学生。

成蹊大学蹴球部に所属し、副将を務めている。

幼少期は放任主義の家庭でのびのびと育ち、小中高と北海道のサッカー強豪チームで揉まれ続けてきた。順風満帆に見えて、実は周囲の威圧感に萎縮したり、全国の舞台で浮かれて監督から雷を落とされたりと、人間らしい弱さと数々の挫折を味わってきた。

大学では、1年時にBチームのキャプテンを経験したことで「人を動かす楽しさ」に目覚め、現在は自分の殻を破り、影響力を持ってチームを牽引するリーダー像を体現すべく奮闘している。

人を巻き込み、自らの行動でチームを推進するリーダーを目指して

強豪クラブでの人間関係に悩み、高校では謎の病で半年間寝たきりになり、やっと掴んだ全国の舞台では浮かれて途中交代させられる——。

彼のサッカー人生は、決してスマートなエリート街道ではない。

自分の弱さや甘さと直面し、何度も打ちのめされてきた。しかし、その泥臭い経験があるからこそ、彼は今、成蹊蹴球部の副将として「自らの行動で人を巻き込み、動かせるリーダー」を目指している。

自由気ままな大学生活の余暇をすべて捨て、自らの殻を破るために戦う彼の等身大の挑戦に迫る。

【学生時代に成したいこと】

彼が成蹊蹴球部で成し遂げたいのは、「人を動かせるリーダーになること」だ。

言葉だけで指示を出すのではなく、まずは自分自身がチームの目標に向かって全力で行動する。

そして、その背中を見た周囲のメンバーが自然と感化され、巻き込まれ、チーム全体が前へ進んでいくような、圧倒的な影響力を持ったリーダーシップを体現したいと強く願っている 。

【その道を選ばざるを得なかった理由】

彼が「人を動かすリーダー」という困難な道を選ばざるを得なかったのは、大学1年生の時にBチームのキャプテンに任命された経験が大きい。

中学時代はカリスマ的な先輩の後ろについていくだけで、自分たちの代になった途端にチームを勝たせられなくなるという挫折を味わっていた。

しかし大学で、強制的にチームを引っ張らなければならない環境に置かれた時、リーダーの過酷さを知ると同時に、「自分の働きかけ次第でチームや人が変わっていく」という強烈なやりがいと楽しさに気づいてしまったのだ 。


【原体験における共鳴ポイント】

彼の「慢心への反省」と「殻を破る」というテーマの根底には、高校時代の苦い原体験がある。

高校入学後、1年生の全国大会で何もできず、選手権メンバーからも漏れるという挫折を経験。さらに原因不明の病で半年間寝たきりになり、サッカーができない絶望を味わった。

その後、懸命なリハビリを経てついに高校3年で全国大会(選手権)のピッチに立つ。しかし、半年間離脱していた自分が、ずっと努力してきた仲間のポジションを奪って出ている重みを理解せず、大舞台に浮かれてしまった。結果、前半で交代させられ、監督から「お前は泣くな。」と愛のある雷を落とされた。この人生で最も悔しかった経験が、彼に「自分の行動の重み」を自覚させ、常に本気で取り組むスイッチを入れさせたのである 。


【覚悟が定まった瞬間】

副将として本当にチームを引っ張る覚悟が定まったのは、ごく最近のことだ。副将に就任したものの、最初は「自分のプレーで引っ張ればいい」と言い訳をし、リーダーとしての振る舞いから逃げてしまっていた。

案の定プレーもうまくいかず、試合を途中交代させられて落ち込んでいた時、再びキャプテンマークを巻く機会が巡ってきた。

その重みを感じた瞬間、1年生の時にBチームで感じた「強制的にやらなければならない環境でこそ自分は変われる」という思いがフラッシュバックし、再び自らの殻を破ってチームの先頭に立つ覚悟が決まった 。

【捨てたもの】

彼が蹴球部での活動と自己成長のために手放したものは、「大学生らしい自由な時間」だ。

行きたい時に旅行に行き、海外を飛び回るような気楽なキャンパスライフを思い描いていた時期もあったが、今はそのリソースのすべてを部活に注ぎ込んでいる。

しかし、彼はその選択に後悔はなく、むしろ自ら進んで時間を投資している 。


【意思決定の軸】

彼の意思決定の軸は、「自分が成長できるか」、そして「楽しいかどうか」である。

無駄なことや心が躍らないことには時間を割きたくない。逆に、自分が殻を破り、チームが良くなっていく過程に楽しさと成長を感じるからこそ、どんなに厳しい役割であっても逃げずに引き受けることができる 。


【現在の挑戦】

いま彼がぶつかっている壁は、副将として「いかに影響力を持ってチームを動かすか」という極めて実践的な課題だ。

一時的に殻を破って行動できても、油断するとまた元の自分(殻に閉じこもる自分)に戻ってしまう弱さがあることを彼自身が一番理解している。

だからこそ、その弱さを乗り越え、継続してチームを牽引する存在になるための泥臭い挑戦を日々続けている 。


【誰に、何を返したいか】

彼がこの挑戦をやり遂げた先に、一番言葉を交わしたい相手は「親」だ。

放任主義で見守ってくれた親に対して、ただサッカーを頑張っただけでなく、「自分の軸を持ち、人として自立した」という姿を見せたい。

そして親から「大人になったね」と認められることこそが、彼がリーダーとして成長し抜いたことの何よりの証明になるのである 。


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