STUDENT DECISION RECORDS
STUDENT DECISION RECORDS
ReWrite Career が出会った学生の「意思決定」を記録するメディアです。
専修大学文学部、東京都中野区出身。
学生団体SWITCHの17代目代表。人の感情や場の空気を読む観察力、対立を壊さず前進に変える調整力を強みに、メンバーの「やりたい」を実現へつなぐリーダーとして組織を担っている。
前に出続けるタイプではなかったからこそ、目立つことより、仲間の挑戦が形になる構造をつくることに価値を置いている。
彼が目指しているのは、熱意のある一部の人だけが走る組織ではない。
メンバー1人ひとりの中に生まれた衝動が、言葉だけで終わらず、企画になり、行動になり、誰かの未来に届く組織だ。代表という立場も、上に立つ役職ではなく、仲間の本気を現実に変える責任の座として捉えている。

学生時代に成したいのは、仲間の中に挑戦の連鎖を生み出すことだ。
ただ楽しい団体をつくるのではなく、誰かの本気が周囲を動かし、次の誰かの一歩につながる組織を残したいと思っている。
その延長線上で、教育支援を通じて子どもたちの選択肢を広げ、社会人にとっても社会貢献をもっと身近で前向きなものに変えていきたいと考えている。
大学進学後、彼の中には強い危機感があった。
このまま何となく日々をこなし、流されるように学生生活が終わっていくことへの恐れだ。そんな時に出会ったのがSwitchだった。兄のつながりを通じて活動を知り、実際に足を踏み入れた時、そこにいたメンバーの視座の高さや思考の深さに衝撃を受けた。自分の知らない世界があり、自分はまだ変われる。その実感が、彼をこの道へ引き込んだ。
そして、その変化への意志は、やがて“自分の成長”だけでは足りなくなった。
カンボジアで出会った子どもたちは、物質的には決して恵まれていない環境にいても、笑顔を持って生きていた。その姿は、日本の中で進路や人間関係に悩む学生たちとは別の意味で彼に衝撃を与えた。だからこそ彼は、良い環境にいる人間が自分の可能性を狭めたままでいるのではなく、誰かの未来を広げる側に回りたいと考えるようになった。
この道は、偶然ではなく、自分が引き受けるべき役割として選び取った道だった。

彼の原点には、静かな性格のままでは終わりたくないという思いがある。
次男として、家庭の中で生まれる衝突や空気の変化を敏感に感じ取りながら育ったことで、人をよく見る感覚が育った。誰が何を感じているのか、場の温度はどこで変わるのか、どう動けば衝突を避けつつ前に進めるのか。そうした感覚は、のちに彼の調整力や対話力の土台になっていった。
中学では先生の推薦でなった学級委員を通して、中心的な役割を担えば少し周囲を変えられる感覚を得た。まだ主体性を得ていない彼は、高校時代では前に出ることはなく、そのまま当たり前のように続く生活が大学まで続いた。ところが夏に一変し、彼にとって深いどん底に落ちた。しかし、彼はその感情をただ悲しい記憶として留めるのではなく、「このままでは終わりたくない」「停滞したままではいたくない」という反発し上昇するエネルギーに変えていった。そこにカンボジアでの経験が重なり、彼の価値観は決定的に切り替わる。
支えられる側、影響を受ける側にとどまるのではなく、自分が誰かの行動の起点になる側へ回る。その転換こそが、彼の現在の挑戦の根っこにある。

覚悟が定まったのは、大学2年の春、熱量の高い新入生たちの提案を前にした時だ。彼の中には、組織をもっと良くするための具体的で質の高いアイデアがあった。だが、その時の自分には、それを本当に形にするだけの権限も責任もなかった。
目の前に本気の提案があるのに、それを“良い案だね”で終わらせるしかない。その無力感が、彼にとって決定的だった。
その瞬間、自身の成すべき代表像とは仲間の可能性を取りこぼさないために責任を引き受ける立場だと理解した。メンバーの思いを預かり、それを現実に変えるために、泥臭い調整も事務も外部折衝も全部背負う。その責任から逃げないと決めた時、彼の中で代表という言葉の意味が変わった。
だから彼の覚悟は「代表になりたい」という願望ではなく、「自分が引き受けなければ、この熱は形にならない」という責任感から始まっている。
彼が捨てたのは、何となく消費されていく学生生活だ。
自身に繋がらず意味を見いだせない授業は整理し、ただ出席するだけの時間、惰性で過ごす時間、目的のない過ごし方を削った。代表としての活動、インターン、企画づくり、外部との関係づくりに時間を振り向けるために、自分の生活を意志的に組み替えていった。
ただ、それは単なる効率化ではない。彼が手放したのは、“自分だけの都合で完結する日々”そのものだ。組織のことを考え、仲間のことを考え、誰かの提案をどうすれば形にできるかを考える。その生き方に切り替えたことで、時間の使い方は大きく変わった。彼にとって捨てたものは余白ではなく、未来につながらない時間の使い方であり、その分だけ、誰かの挑戦に賭ける時間を増やしたということだ。

「縁とつながり」
彼の意思決定の軸は、はっきりしている。
どんな選択をするか迷った時、彼は目先の得か損かではなく、その選択がどんな出会いを生み、どんなつながりを未来へ残すかで判断する。人との接点が人生を変えてきた実感があるからこそ、自分もまた、つながりを生む側でありたいと思っている。
「衝動を形で終わらせない」
そして、感情が動いたなら、そのまま熱量だけで終わらせず、企画にし、環境にし、結果にする。彼にとって本気とは、気持ちの強さではなく、形にするところまでやり切ることを意味する。だからこそ、彼の行動原理はロマンだけではない。縁を拾い、つなぎ、実装する。
やりたいで終わらせず、やったところまで責任を持つ。この一貫性が、彼のリーダーシップの芯になっている。
現在の挑戦は、Switchを“所属して良かった団体”で終わらせず、“人生を動かす団体”へ引き上げることだ。
メンバーが活動を楽しめることは大前提として、その楽しさが単なる居心地の良さで終わってはいけないと思っている。互いに刺激を与え合い、意見を出し合い、誰かの提案が本当に実現されることで、組織が挑戦の場として機能する状態をつくろうとしている
そのために、企業対抗運動会の企画は、社会人にとって社会貢献をもっと身近で楽しいものに変える挑戦であり、学生時代の活動がその場の熱量だけで終わらず、その後の人生にも接続していく場を作ることになる。
それが実現できれば、組織は単なる仲の良いコミュニティではなく、人の可能性を押し広げる場所になる。彼はいま、その状態を本気でつくろうとしている。

まず返したいのは、いま一緒に動いているメンバーに対してだ。
彼は、メンバーが自分の思いを遠慮せずに言え、それが実際に形になっていく経験を返したいと思っている。ただ“楽しかった”だけではなく、“ここで挑戦してよかった”“ここで自分は変われた”という実感を残したい。
そのために代表が責任を引き受け、安心して飛び込める環境をつくることが、自分の役割だと考えている。
次に返したいのは、社会そのものに対してだ。外部の参加者や社会人には、社会貢献は遠いものではなく、自分の延長線上で関われるものだという感覚を返したい。そして支援先の子どもたちには、将来の選択肢を広げるきっかけを返したい。彼が最終的につくりたいのは、一部の熱い人だけが頑張る世界ではない。誰かの一歩が、別の誰かの未来を広げる。その連鎖が自然に起こせる団体だ。
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