STUDENT DECISION RECORDS

『自分のためより、誰かのために』。元・優等生がダンスサークルで“最高の居場所”を裏から支える理由#SDR28-0037

INTERVIEW & TEXT

和泉 圭佑

2026.06.02

STUDENT DECISION RECORDS

ReWrite Career が出会った学生の「意思決定」を記録するメディアです。

学生プロフィール

東京都昭島市出身、立教大学に通う学生。

ダンスサークル「JG」に所属し、合宿統括を務めている。

小中学時代は学年トップの成績を収める優等生だったが、高校時代はコロナ禍の影響で学習環境が崩れ、深い挫折を味わう。

大学では「温かく優しい雰囲気」に惹かれてJGに入団。当初は幹部になるつもりはなかったが、先輩たちが自己犠牲を厭わず組織のために奔走する姿に憧れ、立候補を決意。

現在は「全員が楽しめる環境作り」を軸に、自分自身の規律という壁と向き合いながら、大好きな仲間のために裏方として奮闘している。

かっこいい先輩の背中。意志を継ぐ。全てはJGの為に

幼少期から学級委員を任され、中学では学年トップの成績と吹奏楽部での花形ポジションを勝ち取ってきた彼女。

誰もが認める「優等生」だった彼女は、高校時代のコロナ禍で一転して深い挫折を味わった。

しかし、その経験があったからこそ、大学で出会った「JG」というサークルは彼女にとってかけがえのない温かい居場所となった。

自分がトップに立つよりも、誰かのために動くことに無上の喜びを感じる彼女が、合宿統括という重責を背負い、仲間の笑顔のために奔走する軌跡に迫る。

【学生時代に成したいこと】

彼女がJGの活動を通して成し遂げたいのは、「サークルのメンバー全員がJGを大好きになり、心から楽しんでくれる環境を作ること」だ。

合宿統括として、企画や業務分担を行う際には「どうすればみんなが一番喜んでくれるか」「楽しみから取り残される人が出ないか」を常に第一に考えている。

彼女にとって、自分が目立つことよりも、自分が整えた舞台で仲間たちが最高の笑顔を見せてくれることこそが最大の目標である。

【その道を選ばざるを得なかった理由】

彼女があえて多忙な合宿統括という幹部の道を選ばざるを得なかったのは、JGが自分にとって「最高の居場所」になり、そこに「自分がいた証」を残したかったからだ。

当初は幹部になるつもりはなかったが、1年時の卒業イベントでPoppingというジャンルに出会い、先輩の温かい人柄に触れたことでサークルへの愛情が爆発した。

「これほど自分を救ってくれた組織に対して、自分の力で役に立ちたい。」その純粋な貢献意欲が、裏方として組織を支える責任あるポジションへと彼女を突き動かした。


【原体験における共鳴ポイント】

彼女の「他者のために動くサポート役」としての適性は、中学時代の経験に紐づいている。

学級委員や委員長といったトップの役割を経験した際、彼女は「自分は人を強く引っ張るカリスマ型のリーダーよりも、一歩引いて組織を支えるポジションの方が向いている」と客観的に自己分析した。

また、吹奏楽部で仲間と切磋琢磨しながら一つの目標(金賞)に向かって努力した経験や、高校のダンス部で自分の動きを分析して成長していく楽しさを知った経験が、現在の「完璧主義で細部まで気を配る」丁寧な組織運営の基盤となっている。


【覚悟が定まった瞬間】

彼女の中で幹部として組織を背負う覚悟が定まったのは、先輩たちの引退公演の期間だ。

それまでは単にサークルを楽しんでいただけだったが、引退を控えた先輩たちが、自己犠牲を厭わずJGのために全力で向き合い、妥協せずに奔走する背中を目の当たりにした。

「私もこんな風になりたい。この熱い思いを引き継いでいきたい」。尊敬する先輩たちの姿が、彼女に組織の未来を担う強い決意を抱かせたのである。

【捨てたもの】

彼女が幹部としての活動と組織への貢献のために手放したものは、「スマートフォンでSNSをダラダラと見る無目的な時間」だ。

かつてはInstagramのリール動画などを長く視聴する習慣があったが、想像の5倍以上とも言える合宿統括の膨大な業務をこなすため、無意識に消費していた時間を削り、組織のための実務や連絡にリソースを全振りしている。


【意思決定の軸】

彼女の意思決定の軸は、「全員が分かりやすく、誰一人として取り残されずに楽しめるか」という完璧主義に基づく思いやりである。

情報伝達の文章一つ、資料の構成一つをとっても、受け取る側がどう感じるかを徹底的に想像し、細部にまで気を配る。論理的な効率性よりも、「仲間の感情」を最優先に行動を選択している。


【現在の挑戦】

いま彼女が直面している最大の壁は、「自分自身のための自己規律」だ。

サークルや仲間のため、他者のためであれば圧倒的な責任感を発揮して限界まで頑張ることができるが、いざ自分個人の目標となると、努力を継続することに苦労してしまう弱さを抱えている。

「他己実現」が得意な彼女だからこそ、今後は自分自身の成長ベクトルにもしっかりと向き合うことが挑戦となっている。


【誰に、何を返したいか】

すべての活動をやり遂げた引退の日、彼女が一番返してほしい言葉は、JGのメンバー全員からの「大好き」という言葉だ。

しかし、彼女の根底にあるのは見返りや感謝を求める気持ちではない。

自分が裏方として徹底的に準備を重ねた結果、大好きな仲間たちが心底楽しそうに笑っている景色を見ること。それこそが、彼女にとって何にも代えがたい最高の恩返しなのである。

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