STUDENT DECISION RECORDS

「礼儀と責任感を武器に、彼は“誰かのために動く組織”をつくっている」#SDR28-0043

INTERVIEW & TEXT

笹原 哲

2026.06.04

STUDENT DECISION RECORDS

ReWrite Career が出会った学生の「意思決定」を記録するメディアです。

学生プロフィール

東京国際大学経営学科に在籍。

大学では企画局副局長を務め、学園祭の企画改善、集客拡大、組織運営の再設計に取り組んでいる。高校までに培った礼儀、規律、対人作法を土台にしながら、今はそこに戦略性と企画力を重ね、組織を前に進める役割を担っている。派手さで引っ張るというより、責任を引き受けて、現実を整えながら成果に変えていくタイプのリーダーだ。

趣味や関心にも彼らしさが出ている。横田基地周辺の文化に触れてきたこともあり、海外の雑貨やお菓子、ヴィンテージ品、バンドTシャツなどに惹かれてきた。その好奇心は単なる趣味で終わらず、「いつか海外の雑貨やお菓子を輸入・販売したい」という将来像につながり、大学で経営学を学ぶ明確な動機にもなっている。

仲間が自分らしく挑戦できる場所を。

彼が目指しているのは、ただ企画を成功させることじゃない。

関わる人が「一緒にやれてよかった」と心から言えるような経験をつくることだ。そのために彼は、成果を出すことと、人が前向きに動ける環境をつくることを両立させようとしている。数字だけではなく、その過程で誰がどう動き、どう変わり、どう達成感を持てたのかまで含めて、組織の価値だと考えている。

だから彼の組織運営は、命令で回すものではない。人が自分から動きたくなるように、面白さや納得感をつくりながら、結果にも責任を持つ。その両方を外さずに進めようとするところに、彼のリーダーとしての強さがある。

【学生時代に成したいこと】

学生時代に成したいことは大きく二つある。

ひとつは、大学の学園祭をより多くの人が集まる場へ育てること。前年度約2,000人規模だった集客を、4,000〜5,000人規模まで引き上げることを視野に入れ、SNS広報、目玉企画、グッズ制作など、来場者にとって魅力のある企画づくりを進めている。

もうひとつは、関わる仲間から「一緒にやれてよかった」と思われる存在になることだ。彼にとって学生時代の成功は、自分ひとりが評価されることではない。周囲の仲間が困らず、前向きに動けて、最後に純粋な感謝が返ってくる状態をつくれたかどうかにある。組織の成果と、人との関係の両方を残すことが、彼の理想の学生時代になっている。

【その道を選ばざるを得なかった理由】

彼がこの道を選んだのは、単に将来やりたい仕事があったからではない。

高校3年の時点で、海外の雑貨やお菓子を輸入・販売したいという具体的な将来像が、すでに自分の中にあった。横田基地周辺のカルチャーに触れる中で育った好奇心は、ただの憧れでは終わらず、「いつか自分の手で価値を届ける側に回りたい」という意志に変わっていた。だからこそ彼にとって、経営的なことを感覚ではなく実践的に学べる環境に進むことは、選択肢のひとつではなく、自分の未来に責任を持つための必然だった。 

ただ、彼を動かしているのは将来のビジネスだけではない。中学・高校で経験したボランティア活動を通して、「自分の行動が誰かを喜ばせる」「やらなくてもいいことをやるからこそ届く価値がある」という感覚を知った。その実感が、大学での企画や組織運営にもそのままつながっている。彼にとって動機は、自己実現と他者貢献のどちらかではなく、その両方が重なる場所にある。


【原体験における共鳴ポイント】

彼の原点には、人のために動くことに価値を見出し、礼儀やふるまいを大切にする姿勢がある。中学・高校時代のボランティア活動では、誰かのために行動したことが相手の喜びとして返ってくる経験を重ねる中で、「自分の行動には人の心を動かす力がある」と実感していった。特に、中学時代のボランティア部において老人ホームで誕生日カードを渡した際に相手が涙を流して喜んでくれた経験は、他者貢献がただの善意ではなく、自分自身の価値観の中心になり得ることを教えてくれた。

その土台をより強くしたのが、高校時代に顧問から厳しく教わったビジネスマナーや対人作法だった。礼儀、言葉遣い、相手への向き合い方を細かく求められる環境は決して楽ではなかったが、その経験を通して、信頼は能力だけで得るものではなく、日々の姿勢やふるまいの積み重ねで築かれるものだと学んだ。この厳しさがあったからこそ、今の彼には、責任を持って人と関わる感覚と、組織の中で信頼を積み上げる基礎がある。 

さらに中学校・高校では、部長として部員を動かす難しさにも向き合った。ただルールで縛るのではなく、活動の中にある面白さや意味を伝えることで、人が自分から動きたくなる状態をつくろうとした。この経験が、今の「強制ではなく納得感で人を動かす」というリーダーシップにつながっている。人のために動く価値、信頼を得るふるまい、そして人が前向きに参加したくなる空気づくり。その3つが、今の彼の原体験の核になっている。


【覚悟が定まった瞬間】

覚悟が定まったのは、大学で企画局副局長の打診を受けた時だ。

その時の中心にあったのは、「役職だからやる」「責任があるから逃げられない」という受け身の感覚ではなかった。自分に声をかけてくれた先輩からの期待がまず大きかった。そして、その期待に応えることは単なる義務ではなく、自分自身がもっと成長できる機会でもあると感じていた。

もちろん、不安がなかったわけではない。自信のなさもあったし、本当に自分に務まるのかという迷いもあった。けれど彼は、責任を重荷としてだけ見るのではなく、その先にある達成感や役割をやり切った先で得られる成長を信じて引き受けた。期待されることは、試されることでもある。でも同時に、それは自分の可能性を一段引き上げる機会でもある。そう捉えたからこそ、彼は一歩引かずにその役割に踏み込んだ。

実際に大学1年次の企画では、何度も修正を重ねながら、より良い形へ企画を磨き上げていった。その積み重ねが評価され、副局長としての役割につながった経験も、彼の背中を押していた。だから彼にとって覚悟とは、重さに耐えることではなく、期待を成長に変えると決めることだった。責任の先には、しんどさだけではなく、自分を更新できる達成感がある。その実感を信じて、彼は大学で本格的に組織を背負う側へ進んだ。

【捨てたもの】

彼が捨てたのは、ぼんやり過ごしていた時間だ。

大学で役職を担うようになってからは、土曜日のアルバイト時間も含めて生活全体を見直し、活動中心の時間の使い方へ切り替えた。何となく空いていた時間は、企画やマネジメント、改善のために使われる時間へ変わっていった。 


【意思決定の軸】

「責任感と達成感」

まず、周囲の期待に応えたい、迷惑をかけたくないという責任感が強い。

自分が引き受けたことで仲間が困らず、組織が前に進むなら、その役割を果たしたいと思う。その一方で、ただ責任だけで動いているわけではない。そこに自分がやり切ったと思える達成感があるかどうかも、彼にとって重要な判断基準になっている。

その根底には、高校時代から一貫している価値観がある。ルールは大切にする。でも、人を動かす時には強制ではなく、面白さや納得感が必要だという考え方だ。

だから彼は、厳しさだけのリーダーにはならない。人が自分から動ける状態をつくりながら、結果にも責任を持つ。その両立が彼の軸になっている。


【現在の挑戦】

現在の挑戦は大きく二つある。
ひとつは、企画局の部員マネジメントだ。熱量に差がある部員たちをどう巻き込み、どう成果につなげるか。そのために彼は「タスクが終わったら帰宅していい」という成果重視の運用も試しながら、無理に縛らず、でも結果は出すという形を模索している。

もうひとつは、自分自身の弱点克服だ。人前での発表が得意ではないからこそ、学生ファシリテーターとしても活動し、あえて苦手な場に身を置いている。組織を回すだけではなく、自分自身の伝える力も鍛え続けることで、より大きな役割を担える人間になろうとしている。


【誰に、何を返したいか】

彼が返したいのは、まず一緒に動いてきた同級生や仲間たちに対してだ。

最後に「一緒にやれてよかった」と、忖度のない言葉で言ってもらえること。それが彼にとって、自分の学生生活と役割を本当にやり切った証になる。評価されたいというより、ちゃんと価値を返せたかどうかを知りたい。その気持ちが強い。

同時に、これまで関わってきた地域の人たちや高齢者に対しても、笑顔や喜びを返したいと思っている。自分の行動ひとつで誰かが喜んでくれる、その経験を知っているからこそ、彼にとって「返す」とは結果を見せることだけではなく、相手の心が動く瞬間をつくることでもある。


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