STUDENT DECISION RECORDS

「着実に努力し続けた人にしか見えない景色がある」。スパルタ指導を耐え抜いた彼女が、巨大サークルで自分らしさを貫く理由#SDR28-0045

INTERVIEW & TEXT

和泉 圭佑

2026.06.05

STUDENT DECISION RECORDS

ReWrite Career が出会った学生の「意思決定」を記録するメディアです。

学生プロフィール

東京都出身、早稲田大学法学部に通う学生。ダンスサークル「SesSion」にてジャンルリーダーを務める。

周りの目を気にしがちな平和主義な性格だが、幼少期から通い続けたスパルタなダンススクールで、ステージに対する厳しいプロ意識を叩き込まれた。

問題児の多い中学校では「影を薄くして」過ごす処世術を身につけたが、自由な竹早高校の文化祭では自らクラス代表に立候補し、裏方として組織をまとめる喜びに目覚める。

現在は、ジャンルリーダーとして、ジャンルにとらわれない独自のダンスの喜びを感じるメンバーを増やすために、日々メンバーに向き合い。率いている。

上手くなるのその先へ。独自のダンスを追求するワクワクを伝えるために。

極度の「人見知り」であり、争いを好まない「平和主義」を自称する彼女。

しかし、幼い頃から泣きながら通い続けた厳しいダンススクールと、カオスな環境だった中学校生活を経て、彼女の奥底には「ステージに対する異常なほどのプロ意識」と「場を俯瞰して最適解を導く力」が育まれていた。

早稲田大学法学部という厳しい学業の傍ら、ダンスサークル「SesSion」で幹部という重責を担う彼女。

誰かがやらなければならない時、静かに、しかし確実に組織の屋台骨を支える彼女の「裏方としての矜持」に迫る。

【学生時代に成したいこと】

彼女が現在SesSionで成し遂げたいのは、自らの裁量を最大限に活かし、最高のクオリティで「公演」を創り上げることだ。

さらには、メンバーの経験度合いが様々な中で、一人ひとりが自分のダンスを追求する楽しさを感じるきっかけを作ることだ。

実務は膨大で苦しい面もあるが、高校時代に味わった「全員がやる気を持って1つのものを創り上げる空間」を、SesSionの大舞台で再び、そしてより大きな規模で実現することを目指している。

【その道を選ばざるを得なかった理由】

彼女が幹部やリーダーといった重責を選ばざるを得なかったのは、根底にある「放っておけない責任感」ゆえだ。高校の文化祭でアリーナ劇のクラス代表を引き受けた際も、「他にしっかりできそうな子がいなかったから」と自ら名乗り出た。

自己主張が激しいタイプではないが、組織が前に進むために必要なスケジュール調整や裏方の仕事を見極め、自ら引き受けてしまう「しっかり者」の性分が、彼女をサークルの中枢へと導いたのである。


【原体験における共鳴ポイント】

彼女の価値観を形成する原体験は2つある。

1つは、小学校から通い続けたスパルタなダンススクールだ。

常に厳しい指導を受け、泣きながらも辞めずに続けたことで、「ステージに立つ前のコンディション作り」といったプロ意識が骨の髄まで染み込んだ。

もう1つは、竹早高校での文化祭だ。

スケジュール調整や脚本家との折衝など泥臭い裏方仕事に奔走し、見事クラスを1位に導いた。この時、受験勉強で忙しいはずのクラスメイトたちが協力してくれ、最後に心からの感謝を伝えられた経験が、「みんなで創り上げる楽しさ」の原点となっている。



【覚悟が定まった瞬間】

彼女の芯が定まったのは、スパルタだったダンスの恩師から言われた「ずっと苦しくても、続けた人にしか見えない景色がある」という言葉の真意を理解した時だ。

当時は怖くて仕方がなかった先生の教えも、大学生になり、様々なモチベーションの人が集まるサークルの中で「ステージに向き合う姿勢」として自分の中に活きていると気づいた。

過去の厳しい経験が、確実に今の自分の「見える景色」を広げていると確信した瞬間、彼女のプロ意識と覚悟は本物になった。

【捨てたもの】

彼女がこれまでの人生で捨てたものは、「できない理由や言い訳」だ。

中学校時代は「影を薄くして」トラブルを避けていたが、高校に入ると、膨大な課題から逃げる周囲を尻目に「出されたものは全てやる」と黙々と取り組み、成績を上位へと引き上げた。

大学受験でも、数学が絶望的に苦手だったにも関わらず逃げずに立ち向かい、早稲田大学法学部への切符を掴み取った。

与えられた環境の中で、泥臭くやるべきことを完遂するストイックさを彼女は持っている。


【意思決定の軸】

彼女の意思決定の軸は、「ルールの範囲内で平和を保ちつつ、全員が納得する最適解を探すこと」だ。

自己主張をして他者とバチバチぶつかることは好まないが、授業や組織が滞ることは許せない。

みんなの意見を尊重しながらも、計画を立てて的確に指示を出し、しっかりと軌道に乗せていく「バランサー」としての立ち回りが、彼女の行動基準となっている。


【現在の挑戦】

いま彼女が直面している壁は、「人見知り」を乗り越え、巨大なサークル組織を動かすことだ。

初対面の人と話すのが苦手で、内に感情を溜め込みやすい性格でありながらも、幹部として多くの役職者と会議を重ね、意見を調整しなければならない。

学業との両立に苦しみながらも、持ち前の責任感と調整力で、ストーリー公演という巨大なプロジェクトを前に進めるべく奮闘している。


【誰に、何を返したいか】

引退の日に彼女が望むのは、高校の文化祭の時のように、共に創り上げた仲間たちからの「ありがとう」という言葉と笑顔だ。

あの時、受験で忙しいクラスメイトの男子がそっと「じゃがりこ」を渡して感謝してくれた時のように、自分が裏方として泥臭く環境を整えた結果、仲間たちが心からステージを楽しみ、「そよさんがいてくれてよかった」と思ってもらえること。

それこそが、彼女にとって最大の報酬なのである。

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