STUDENT DECISION RECORDS

「キャプテンとして責任を果たせなかった」。高校時代の後悔を晴らすため、彼は再び組織のトップに立つ決意をした#SDR28-0055

INTERVIEW & TEXT

和泉 圭佑

2026.06.07

STUDENT DECISION RECORDS

ReWrite Career が出会った学生の「意思決定」を記録するメディアです。

学生プロフィール

大阪大学3年、京都府出身。

現在、体育会サッカー部にて、次期主将としてチームの熱量向上に挑戦中。

高校時代のサッカー部で怪我によりプレーでチームを引っ張れず、不完全燃焼に終わったキャプテン経験をきっかけに、現在は「プレーでも精神面でも、全方位でチームを牽引する主将になる」という課題に向き合っている。

もう一度。キャプテンの責任を、仲間のために果たす挑戦

周囲が大学生活の自由な時間を謳歌する中、彼は大学サッカーという厳しい環境で「キャプテン」という重圧を背負う道を選んだ。

その背景にあったのは、高校時代に怪我でピッチに立てず、何もできなかったという強烈な後悔と違和感だった。

“自分はこのまま、中途半端なリーダーで終わっていいのか?”

その問いから逃げなかった結果が、今の泥臭い挑戦につながっている。 これは、ある学生の“意思決定の記録”である。

【学生時代に成したいこと】

今、彼が成し遂げたいのは、大阪大学サッカー部において「全員のベクトルを揃え、強固で勝てるチームを作ること」だ。

私立大学と比べて練習環境や施設が限られている中、フィジカル強化といった課題に向き合うだけでなく、「勝つためのメンタリティ」をチーム全体に植え付けることを目指している。

そして、次期主将として、プレーはもちろんのこと、チームの統率などあらゆる面で組織を牽引しようとしている。

【その道を選ばざるを得なかった理由】

なぜ、平社員のような立場で気楽にプレーするのではなく、あえて主将という重い責任を負う道に向かったのか。

それは、強豪・近大附属高校時代、3年生でキャプテンに就任する直前に右膝半月板を断裂し、半年間の離脱を余儀なくされたからだ。

プレーで引っ張るタイプのリーダーだった彼にとって、ピッチに立てないキャプテンは無力だった。

チームに貢献できず、中途半端な形で高校サッカーを終えてしまったという痛切な後悔が、「次こそは本当のリーダーになりたい」という渇望を生んだのである。



【原体験における共鳴ポイント】

彼の意思決定の背景には、「上には上がいるという挫折」と「サッカーへの純粋な探求心」がある。

小学時代は誰よりもリフティングの練習をして地元で1番になったが、小学6年で選ばれた西日本代表の選抜合宿で、全国トップレベルの選手たちに圧倒され、自分の未熟さを痛感した。

さらに中学時代も選抜合宿で高い壁にぶつかった。常に高いレベルの環境に身を置き、自分の現在地を突きつけられながらも這い上がってきた経験が、今の「より強い組織を作りたい」という思考の土台となっている。

また、ゴールよりも「綺麗なパスを出すこと」に喜びを感じる生粋のゲームメーカー気質も、周囲を活かし、チーム全体を俯瞰するリーダーとしての素養を育んできた。



【覚悟が定まった瞬間】

“なんとなくまとめる”から、“絶対に自分がキャプテンとして引っ張る”に変わった転機は、大学1年生の時に4年生のキャプテンと1対1で対話した時だった。

同じ強豪校出身の先輩から「なぜサッカーを続けるのか」「なぜキャプテンをしたいのか」と問われ、自らの思いを言語化したことで、高校時代の後悔を払拭し、今度こそ自分がプレーでもチームを引っ張るのだという揺るぎない覚悟が定まった。

【捨てたもの】

その選択の裏で、彼は「純粋な余暇」と「個人のプレーだけに集中する時間」を完全に手放した。

大学の授業やアルバイトの合間を縫って、空いた時間のほぼすべてをジムでの筋力トレーニングなど、サッカーのパフォーマンス向上のために注ぎ込んでいる。

チームの課題に向き合い、勝利のメンタリティをどう植え付けるかを考え続ける日々の中で、ただの大学生としての自由な時間は削り落とされている。


【意思決定の軸】

彼の意思決定の軸は、「チームが勝つためのメンタリティを構築できるか」である。

失点しても下を向かず、ヤジを飛ばすのではなくポジティブに切り替えること。戦術や技術だけでなく、最後まで足を伸ばすような泥臭い部分に立ち返ること。

そうした「勝つ集団としての基準」を満たすための選択を、自ら率先して取り続けている。


【現在の挑戦】

今、彼は「勝てないチームのメンタル改善」と「伸び悩む同期の底上げ」という壁にぶつかっている。

現在リーグで下位に沈むチームには、まだ勝者のメンタリティが備わっていない。

さらに、1年生の頃から試合に絡んでいたポテンシャルの高い同期たちが、現在序列を落とし「最弱の年」と揶揄される状況にある。

彼らの努力の方向性が間違っているのか、それとも環境が悪いのか。学年全体をどう変革していくべきかという難題に直面している。


【誰に、何を返したいか】

引退するその日、彼が一番返してほしい言葉は、チームメイトたちからの「お前がキャプテンでよかった」という一言だ。

高校時代には到底もらうことのできなかったその言葉を聞くため、彼は過去の自分へのリベンジとして、泥臭くチームを引っ張り続ける。

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