STUDENT DECISION RECORDS

「誰かの人生の一部になる」覚悟――凡庸な自分を捨て、圧倒的な“存在”になると決めた彼女の選択#SDR28-0062

INTERVIEW & TEXT

光延 優佑

2026.07.22

STUDENT DECISION RECORDS

ReWrite Career が出会った学生の「意思決定」を記録するメディアです。

学生プロフィール

福山大学2年、愛媛県出身。 幼少期から活発で、小・中学校では親友の誘いをきっかけにサッカーやテニスに熱中し、初心者ながら県大会ベスト8を経験。 

高校では憧れの吹奏楽部に入部するも、強烈な実力主義や人間関係の摩擦、修学旅行での孤立という深い挫折を味わう。この原体験から「孤立する人をなくし、人の人生を支えたい」と教員を志すが、大学受験で挫折。 

現在は祖父母の家から福山大学に通い、NPO法人ドットジェイピーのスタッフとして活躍。身近に現れた「圧倒的な成果を出す友人」への劣等感をポジティブなエネルギーに変換し、現在はプログラムリーダーとして体制移行の過渡期にあっても前任たちが築いた高い集客数を確実に「維持」するなど、組織の基盤を強固に保ちながらポテンシャルを最大化する挑戦に向き合っている。


「誰ですかって言われるのは屈辱だ」 圧倒的な存在と対等に並び立つため、自らの意志で責任を背負い、成果で自らの価値を証明し切る執念のプロ意識。

かつての彼女は、どこか「誰かの後ろ」を歩む静かな学生だった。小学校のサッカーも、中学校のテニスも、きっかけはいつも親友の誘い。

高校で憧れの吹奏楽部に飛び込んだときも、周囲の経験者との実力差に圧倒され、人間関係の軋轢に心を痛める側にいた。

大学受験での第一志望不合格という挫折も重なり、彼女の心には「自分はこれまでのままでいいのだろうか」という静かな問いが残り続けていた。 しかし、現在の彼女の姿は、周囲の誰もが目を見張るほどの熱い情熱に満ちている。

かつての受動的な自分を脱ぎ捨て、彼女はなぜ自ら「リーダー」の旗を掲げて組織の先頭に立つのか。彼女を突き動かす、ドラマチックな意思決定の軌跡に迫る。


【学生時代に成したいこと】

彼女が今、情熱を注いでいるのは、所属するNPO法人ドットジェイピーでの活動だ。

周囲の多くの学生がサークルや一般的なアルバイトで大学生活を謳歌する中、彼女はあえて「実力主義のインターンシップ運営スタッフ」という、成果と行動量がシビアに求められる道を選び、現在はプログラム部署のリーダーを務めている。

さらに、既存の枠組みに留まらず、地域課題を解決するための「0から1を作る」行政巻き込み型のイベント企画ユニットにも自ら志願して飛び込み、自らの限界を決めずに挑戦の幅を広げ続けている。

【その道を自らの意志で選んだ理由】

ドットジェイピーに加入した当初、彼女は「なんとなくガクチカ(学生時代に力を入れたこと)になるから」という理由で、周囲を頼りながら活動していた。しかし、活動を続ける中で、彼女の中に「これまでの良き土台を認めつつ、自分たちの手でもっとチームを良くできる」という確信が芽生えた。

同級生でありながら圧倒的な存在感を放つ1期目の後輩たちが加入してきたとき、「先輩である自分が受動的なままでは、この素晴らしい仲間たちのポテンシャルを殺してしまう。自分には、このチームをさらに幸せにする責任がある」と、現状維持ではなく、さらなる高みへ挑戦することを選択した。


【原体験における共鳴ポイント】

彼女の意思決定の奥底には、高校時代に味わった「2つの強い違和感と劣等感」が深く刻まれている。

1つは、吹奏楽部時代に目撃した、実力主義ゆえの人間関係のギスギスや、修学旅行の班決めでクラスの壁によって直面した孤立という経験だ。「1人になってしまう寂しさ」を誰よりも知っているからこそ、現在の活動でも「絶対に孤立する人をなくし、全員の意識を統一したい」という強い渇望に繋がっている。

もう1つは、大学で出会った、誰もが名を知る優秀な友人・松原ゆなさんの存在だ。「隣にいる大好きな友人が、私のことを他人に紹介するときに『誰それ?』と思われるのは絶対に嫌だ。ただの友達ではなく、彼女が胸を張って誇れる戦友になりたい」。この泥臭い劣等感こそが、彼女を突き動かす最大のガソリンとなった。


【覚悟が定まった瞬間】

彼女の中で「次は自分が頼られる存在になり、このチームをもっと良くする」という覚悟が定まったのは、新体制への移行期に出会った、前任の支部代表の「圧倒的な統率力と背中」だ。

半年前、先輩たちに頼り切りで、自分自身の成果に全く納得がいっていなかった時期を経て、新体制への移行期が訪れた。前任の素晴らしい代表の姿に憧れを抱きつつも、「次は自分が頼られる存在になる」と決意した瞬間、彼女は「なんとなく」の自分を捨てた。

周囲から推薦されたからではなく、自分自身の意志で「プログラムリーダーをやらせてください」と手を挙げ、部入届を自ら提出したあの頃のように、本当の意味で腹を括った。


【捨てたもの】

彼女がこの挑戦のために手放したのは、「周囲に甘え、多数派に馴染んでやり過ごす、心地よい同調のメンタリティ」だ。

リーダーになれば、当然嫌われるリスクも生じる。仲間のプライベートや優先順位がバラバラな中で、全員の意識を1つに統合するためのコミュニケーションは、想像以上にタフで孤独な作業だった。しかし彼女は、これまでの「摩擦を避けて人に合わせる楽な自分」を重く捨て去り、毎日ヒヤヒヤするほどの責任を背負いながらも、一人ひとりと30分間の泥臭い1on1面談を繰り返す道を選び取った。


【意思決定の軸】

「成果への徹底的な執着」

なぜなら、目に見える成果や表彰、仲間からの信頼というフィードバックがあって初めて、自分が過去の未熟な自分を超え、大好きな友人や仲間の隣に立つ資格を得られると信じているからだ。


【現在の挑戦】

今、彼女が直面している最大の壁は、「メンバーそれぞれの優先順位の違い」という巨大な心理的ジレンマだ。

プログラムの熱量が一番高いメンバーもいれば、プライベートが最優先のメンバーもいる。「お願いだからこれをやってほしい」と言うべきか、個人の感情を尊重すべきか。

彼女は今、この正解のない問いに対し、一人ひとりの優先順位を丁寧にヒアリングする面談を敢行することで、チームの意識を平等に底上げし、全員で一つの目標に向かうという高いハードルを乗り越えようとしている。


【誰に、何を返したいか】

インターン期間が終了する9月に、彼女が一番言葉を交わしたい相手は、共に走ったスタッフ達だ。

参加した学生たちから「菜花さんに誘われて人生が変わった」と直接言葉をかけられたとき、彼女の挑戦は本当の成功を迎える。

そして、自分の実力を証明することで、離れて暮らす両親に、夏休みに胸を張って自分の成長を自慢するという形で、最高の親孝行を返したいと考えている。

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