STUDENT DECISION RECORDS

『ありがとう』が私を動かす。挫折を乗り越え、彼女が国際ボランティアで『第2の家族』を創る理由#SDR28-0074

INTERVIEW & TEXT

和泉 圭佑

2026.06.28

STUDENT DECISION RECORDS

ReWrite Career が出会った学生の「意思決定」を記録するメディアです。

学生プロフィール

岡山県備前市出身。

同志社女子大学表象文化学部英語英文学科で学ぶ学生。

幼少期は地元ローカル番組「ひなビジョン」に出演するなど、人前に出て大人から褒められることが好きな優等生タイプだった。

中学では生徒会長を務めるも、進学した岡山県立西大寺高校では、周囲のレベルの高さや都会の生徒に圧倒され挫折を味わう。

大学進学後、京都で国際ボランティアサークル「CHAD」に出会い、現在は幹部として現地の大学生との連携という重責を担う。

「行動の先に明確な感謝があること」を行動軸とし、サークルを「第2の家族」のようなコミュニティにするために奔走している。



人前に立って期待に応える。全ては、CHADとカンボジアの子供たちの為に。

【学生時代に成したいこと】

彼女がいまCHADの幹部として成し遂げたいのは、所属するサークルをメンバーにとって「第2の家族」のような存在、つまり「ビッグファミリー」にすることだ。

カンボジア支援というボランティア活動の性質上、どうしても支援の期間は限られてしまう。

しかし、彼女自身がCHADのミーティングに毎週参加し続けているのは、メンバーと過ごす時間が好きで、彼らを家族のように思っているからだという。

自分と同じように「CHADは家族だから」と思ってくれる人を増やし、その思いを後輩に引き継いでいくような温かいコミュニティを創り上げることが彼女の目標である。

【その道を選ばざるを得なかった理由】

彼女が幹部という重責を選んだ背景には、自分が大好きなCHADという組織に常に関わっていたいという強い思いがある。

特に、現地の大学生とミーティングや企画を行う役職に立候補した決定打は、春のプロジェクトで現地に赴いた経験だ。

オンラインですら会ったことのなかった現地の大学生たちと初対面した際、子供たちとのコミュニケーションや活動のサポートを率先して行ってくれる彼らの優しさに触れた。

そこで「CHADの活動が良くできているのは彼らのおかげだ」と感動したという。 この連携を絶対に途切れさせず、より良いものにしなければならないという強い使命感が、彼女を突き動かした。

【原体験における共鳴ポイント】

彼女の「人前に立って期待に応える」というスタンスの原点は、幼少期に地元のローカル番組「ひなビジョン」のインタビューを受け、祖母ら大人たちから褒められた経験にある。

小学校の「チャレンジクラブ」でリーダーを務めた際や、中学校で生徒会役員を務めた際も、常に他者から自分がどう見られているかというメタ認知を働かせながら、コミュニティの先頭に立ってきた。

「誰かに感謝され、褒められることが嬉しい」という思いが、彼女の行動原理の強固な土台となっている。


【覚悟が定まった瞬間】

大学入学後、一時的に大学での人間関係に悩みサークルから足が遠のいていた彼女だったが、暇な時間を変えようと再び参加する中でCHADが好きになり、幹部に立候補した。

しかし、それまでの参加頻度が低かったために先輩からの認知度が足りず、一度は落選してしまう。 ナンバーワンを諦めていた高校時代とは打って変わり、この落選が彼女の心に火をつけた。

「絶対に1位になってやる」と猛烈に燃え上がった彼女は、春のプロジェクトでリーダーに立候補して実績を積み上げ、ついに幹部の座を勝ち取ったのである。


【意思決定の軸】

現在の彼女の意思決定の絶対的な軸は、「行動した先に、相手からの明確な感謝(ありがとう)があるか」である。

彼女は、自分の行動が誰かの役に立ち、無意味にならないことが分かっているからこそ、率先して動くことができる。

CHADのメンバーや現地の人が必ず感謝して褒めてくれる環境があるからこそ、彼女の「人のために頑張りたい」というモチベーションが最大限に引き出されているのだ。


【現在の挑戦】

現在直面している壁であり目標としているのは、自身が担当する現地の大学生との毎月のオンラインミーティングの参加者数を「30人」に突破させることだ。

以前は固定メンバーの7人程度しか集まらない状況が続いていたが、彼女が試行錯誤を重ねることで徐々に人数は増えてきている。

サークル引退までに必ずこの目標を達成し、現地との繋がりをより強固なものにすべく、今も挑戦を続けている。


【誰に、何を返したいか】

彼女がこの旅路の終わりに最も報われたい相手は、共に走ってきた同級生、背中を押してくれた先輩、そして慕ってくれる後輩たちだ。

引退の瞬間、先輩から「ここまでCHADを守り、繋いでくれてありがとう」と認められ、同級生から「小夏がいたから、ここまで楽しく走り抜けた」と微笑まれ、後輩から「小夏さんのような、誰かの居場所になれる人になりたい」と言葉をかけられたなら、彼女のすべての苦難は最高の宝物へと変わる。小さな町を飛び出した少女は、京都の地で、国境をも超える大きな「家族の暖かさ」を社会へと還そうとしている。

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