STUDENT DECISION RECORDS

高校の逆境を乗り越え、ダンスの世界へ。苦境をバネにした彼女が、巨大サークルの夏公演で『脚本』に込める思い#SDR28-0078

INTERVIEW & TEXT

和泉 圭佑

2026.06.22

STUDENT DECISION RECORDS

ReWrite Career が出会った学生の「意思決定」を記録するメディアです。

学生プロフィール

明治大学3年、宮城県仙台市出身。

幼少期から仮面ライダーを好むなど男勝りで活発な性格。1学年150〜170人規模の上杉山中学校では、7人の未経験の仲間とともに剣道部で2段を取得し県大会へ進出、合唱祭では最優秀賞を勝ち取る「黄金期」を経験する。

しかし、進学校である高校へ進むと、進路を巡る周囲とのミスマッチから高校3年の冬に適応障害を発症。共通テスト直前に不登校・浪人を余儀なくされる大きな挫折を味わう。

環境を自ら変えて逆境を乗り越え、念願の明治大学情報コミュニケーション学部に合格。現在は日本最大級のストリートダンスサークル「SesSion」にて、夏の最大イベントであるストーリー公演の「脚本係」を務める。2〜3月には連日深夜まで及ぶ会議を重ね、サークルの命運を握る30分のドラマ制作を牽引している。


観客に確かに伝わり、感動が巻き起こる瞬間を目指して。

【学生時代に成したいこと】

彼女がいまSesSionの脚本担当として成し遂げたいのは、「観客の心に響く、最高に面白いストーリーを創り上げること」だ。

単に自分たちがやりたいことを押し付けるのではなく、「見てくれる人がどう思うか」を最優先に考え、複雑すぎる設定を省き、子供から大人まで誰が見ても理解できる分かりやすさを追求している。

そして、公演を見た友人や親族から「真結が作ったストーリー、めっちゃ面白かった。天才じゃん」と言ってもらうことを目標としている。

【その道を選ばざるを得なかった理由】

彼女があえて「脚本」という重責を選んだのは、過去の公演で先輩たちが見せた涙と、観客が一体となる達成感に強烈に惹かれたからだ。

大学1年生の時、先輩たちの夏公演の映像鑑賞会で、脚本担当の先輩が涙ながらに苦労や達成感を語る姿を見て、「1つの学生サークルでここまでのクオリティのものが作れるのか」と強い衝撃を受けた。

元々ドラマ制作などメディアやエンターテインメントに関心があったこともあり、「自分もあの感動を創り出したい」と強く心を動かされたことが、脚本への立候補の決定打となった。


【原体験における共鳴ポイント】

彼女の「チームで一つの目標に向かい、人の反応にやりがいを感じる」というスタンスの原点は、中学時代の経験にある。

中学では未経験ながら剣道を始め、県大会出場を達成。さらに、学級委員や実行委員を歴任し、特に合唱コンクールではまとめ役としてクラスを牽引し、最優秀賞を獲得した。

また、3年生を送る会などの行事では、自分たちが企画したもので先輩が泣いて喜んでくれる姿を見て、大きな達成感を味わった。

「自分が一生懸命企画し、作り上げたもので、人の心を動かすことができる」というこの原体験が、現在の彼女の「観客第一」の脚本制作における強固なモチベーションの土台となっている。


【覚悟が定まった瞬間】

彼女のサークル活動における覚悟が定まったのは、高校時代の挫折と浪人生活を乗り越え、念願の明治大学に入学した瞬間だ。

高校時代、いわゆる「自称進学校」の抑圧的な環境や担任からの言葉に悩み、学校から足が遠のく苦しい時期を経験した。

しかし、高校という環境から離れたことで自分を取り戻し、「絶対に東京の大学でメディアを学ぶ」という強い意志で浪人生活を乗り越え、明治大学情報コミュニケーション学部への合格を勝ち取った。

苦しい時期を支えてくれた家族、特に合格の知らせを聞いて泣いて喜んでくれた祖母の姿を見た時、彼女は「大学では自分が本当にやりたいことに本気で打ち込もう」という強い覚悟を固めた。


【意思決定の軸】

彼女の意思決定の絶対的な軸は、「それが独りよがりなものではなく、受け手(観客)にとって本当に良いものかどうか」である。

脚本を考える際も、「自分たちが面白いと思うか」ではなく、「見た人、聞いた人がどう思うか」を常に想像しながら制作を進めている。

人気役職である脚本担当の選考に落ちた人たちの思いも背負っているからこそ、「あの人が選ばれて良かった」と思われるような、客観的な視点を持った質の高い作品創りを徹底している。


【現在の挑戦】

現在直面している壁は、「自分たちが創り上げたストーリーが、キャストの演技力によってどこまで形になるか」という不安との闘いである。

脚本の骨組みは完成したものの、それが実際の舞台上でどう表現されるかはキャストの解釈や演技に委ねられる部分が大きい。

解釈の違いによるズレをなくすため、キャストとのすり合わせや話し合いを根気よく続け、思い描いた物語を最高の形で舞台に上げるための挑戦が続いている。


【誰に、何を返したいか】

すべての活動をやり遂げた夏公演の終わりに、彼女が一番言葉を交わしたいのは、会場に見に来てくれる友人や、浪人時代を支えてくれたおばあちゃんなどの親族だ。

自分が全身全霊をかけて創り上げたストーリーを見て、「真結が作ったストーリー、めっちゃ面白かったよ」と言ってもらうこと。 そして、その言葉を聞いて、自分自身も達成感の中で喜びを噛み締めること。 彼女の妥協なき挑戦は、観客の最高の笑顔と称賛の言葉によって、最高のフィナーレを迎える。

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