STUDENT DECISION RECORDS

絶対王政からの脱却。心配性な彼女が巨大サークルの代表として導き出した『最適解を探る』リーダーシップ#SDR28-0089

INTERVIEW & TEXT

和泉 圭佑

2026.06.29

STUDENT DECISION RECORDS

ReWrite Career が出会った学生の「意思決定」を記録するメディアです。

学生プロフィール

東京都大田区出身。

幼少期は人見知りであったが、小学3年生の時の先生の言葉をきっかけに人前に立つ楽しさを知り、以降は学級委員長や応援団長など様々なリーダーを歴任。

高校時代は「探究授業」で論文の最優秀賞を受賞し、アイルランド留学も経験するなど精力的に活動。 現在は武蔵大学でメディアを学びながら、ダンスサークル「STEPS」の代表を務める。

過去の「絶対王政型」のリーダーシップでの失敗を糧に、現在はメンバーとの対話を重視し、全員が納得できる「最適解」を模索する組織運営を行っている。


ひとりひとりの想いに耳を傾け、最高の公演を共に作る

【学生時代に成したいこと】

彼女がいまSTEPSの代表として成し遂げたいのは、引退公演を「全員が泣いて終われる公演」にすることだ。

公演の完成度やレベルを追求するのはもちろんのこと、それ以上に「いかにメンバー全員が楽しく過ごせるか」「記憶に刻まれる思い出にできるか」を最重要視している。

1年生から4年生までの全員が、「この公演をやってよかった」「STEPSに入ってよかった」と心の底から思えるような、最高の空間と時間を作り上げることを目標としている。

【その道を選ばざるを得なかった理由】

彼女が代表という道を選んだのは、サークルの同期の中で「自分がやるしかない」という強い責任感と、先を見通す行動力があったからだ。

学年で何かを決める際、心配性であるがゆえに誰よりも早く行動を起こし、LINEで自ら提案し、実質的なリーダーとして動くことが常であった。 その過程で、彼女自身も「自分以外に代表をやる未来が見えない」と自覚し、覚悟を決めたという。

また、1年生の時の引退公演で、先輩たちが作り上げた温かく楽しい環境に感動し、「自分もそっち側(環境を作る側)にならなきゃいけない」と強く心を動かされたことも大きな決定打となった。


【原体験における共鳴ポイント】

彼女のリーダーシップの原点は、中学時代の苦い失敗にある。

当時は「自分の意見を突き通し巻き込む」絶対王政的なリーダーシップをとっていたが、結果として周囲は動いてくれず、人間関係のトラブルにも巻き込まれた。 孤立し、ストレスで体調を崩すほどの経験をした彼女は、「このやり方では誰もついてこない」と痛感。

それ以来、周りを頼り、対話を重んじる柔らかなリーダーシップへと大きく舵を切った。 この挫折こそが、現在の彼女の「最適解を模索する」組織マネジメントの確固たる土台となっている。


【覚悟が定まった瞬間】

サークルの代表になる「覚悟が定まった瞬間」は、学年でのまとめ役を繰り返す中で訪れた。

彼女は本来、極度の心配性であるからこそ、学年ネームを決めたり学年だけで動いたりする話が出ると、「早く決めて安心したい」という思いから、誰よりも早く自らLINEを回して仕切り始めていた。

気がつけば常に自分が先頭に立って物事を進めている状況に、「私がこのSTEPSの代表をやっていくんだ」という覚悟に変化していき、同期の中から信頼できる幹部陣を揃えるリーダーシップを発揮したのだ。

【捨てたもの】

彼女が代表としてサークルを運営する上で手放したものは、「自分の意見の押し付け」である。

かつての彼女は自分の正しさを主張するタイプだったが、現在はそれを封印し、徹底的にメンバーとの対話に時間を割いている。 心配性でメンタルが強くないからこそ、反対意見が出そうな場合は事前に個別で相談(ヒアリング)を行い、意見を吸い上げる。

万が一、意見を採用できない場合でも、相手が納得できるまで論理的に説明できるよう、何でも答えられるレベルまで準備を徹底している。 独りよがりな決断を捨て、全員が納得できる「最適解」を探し続ける道を選んだのである。


【意思決定の軸】

彼女の意思決定の絶対的な軸は、「事前の入念な対話と、論理的な裏付けに基づく最適解の追求」である。

新しいことを始める際は、決してトップダウンで決めることはしない。 学年やメンバーに個別で「実は今こう考えているんだけど、反対意見やもっと良い案があったら教えてほしい」と相談し、集まった意見を幹部間でブラッシュアップする。

サブで支えてくれる幹部の論理的な視点も頼りにしながら、チーム全員で最適解を導き出し、それを実行に移すことこそが、彼女の揺るぎないマネジメントスタイルである。


【現在の挑戦】

いま彼女が直面している壁は、「巨大な組織の中で、いかに反対意見や不満を生まずに全員を同じ方向へ導くか」である。

心配性な性格ゆえに、陰で批判されることに強い恐怖を抱いている彼女は、そうならないための事前準備に膨大な労力を割いている。 メンバーの意見を取り入れ、採用できない場合は納得いくまで説明する。

この気の遠くなるような対話のプロセスを妥協なく続けることこそが、11月の引退公演を「全員が笑って泣ける」ものにするための、彼女の最大の挑戦である。


【誰に、何を返したいか】

引退を迎える日、彼女が一番言葉を交わしたいのは、共に駆け抜けてきた同期たちだ。

「この代で良かった」

その一言を同期からかけてもらうことができれば、彼女は間違いなく号泣するだろう。

中学時代から培ってきたリーダーとしての葛藤、そしてSTEPSで実践してきた「最適解を探る」泥臭いマネジメントが報われ、全員の思いが一つになった瞬間、彼女の挑戦は最高のフィナーレを迎える。

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