STUDENT DECISION RECORDS
STUDENT DECISION RECORDS
ReWrite Career が出会った学生の「意思決定」を記録するメディアです。
山口県生まれ、東京都育ち。
小学3年生からダンススクールに通い、ハイレベルな環境でヒップホップに熱中。
國學院高等学校では、体育祭で応援団の振付を担当しチームを牽引した。
大学受験での1年間の苦しい浪人生活を経て、東京電機大学に進学。現在は巨大ダンスサークル「SesSion」に所属し、ヒップホップを踊る傍ら、夏公演の「演出」という大役を担う。観客の心を動かす過去最高の公演創りに奮闘中。


彼女がいまSesSionの夏公演の演出として成し遂げたいのは、「過去にない公演を創り上げること」だ。
今回の公演はストーリーが軸となるため、ただダンスを披露するだけでなく、ストーリーを通して観客にしっかりとメッセージを伝え、心を動かすようなこれまでにない最高のステージを実現させたいと考えている。

彼女が「演出」という重責を担う道を選んだのは、自ら立候補したわけではなく、周囲からの「やってみないか」という期待の声があったからだ。
「自分に向いていると思ってもらえたのなら、やってみよう」。
期待され、必要とされることに自身の存在意義を感じる彼女にとって、そのオファーに応えることは自然な決断だった。
「必要とされ、期待されると応えたくなる」という彼女の原点は、高校3年生の体育祭にある。
コロナ禍で制限がある中、有志で応援団を結成し、自ら手を挙げてダンスの振付を担当した。
自分の特技であるダンスを活かして場を盛り上げ、仲間に貢献できたという成功体験が、組織の中で自分の役割を全うし、期待に応えようとする現在の姿勢に直結している。

夏の公演を裏で支える「4職(演出など)」に自ら立候補することはなく、一人の観客として純粋に夏のステージの熱気に浸りたいと考えていた 。
しかし、サークルを統括する幹部メンバーから「演出をやってほしい」と名指しで打診されたとき、彼女の心境は一変する 。
「本当に自分に務まるのだろうか」という不安以上に、「彩奈が一番向いている」と期待され、必要とされた事実が何よりも彼女の心を動かした 。
誰かに必要とされることに自らの存在意義を見出す彼女にとって、その期待は最大の原動力となったのだ 。「自分にできるなら、この信頼に全力で応えたい」 。迷いを捨て、SesSionの夏公演を背負って立つ「演出係」としての覚悟が、その瞬間に完全に定まった。
演出として数々のクリエイティブな判断を下す際、彼女が敷いている絶対的な軸は「徹底した観客目線と客観視」である 。
作品を作る側のエゴや自己満足に陥ることを最も嫌い、「ステージで踊るサークル員がどう見えるか」、そして「客席で見ている観客にストーリーのメッセージが正確に伝わっているか」を常に第三者の冷徹な視点から検証し続けている 。
すべての演出や照明の切り替えは、観客の感情を動かすための「論理的な逆算」によって決定されている。
現在彼女が直面している壁は、演出としての「巨大なプレッシャー」である 。
先輩や同期たちからの「楽しみにしている」という期待に応えたい一方で 、振付を制作するコマ責(ジャンルリーダー等)たちのこだわりやモチベーションを削がずに、いかに公演全体の完成度へと昇華させるかという、板挟みの調整に日々頭を悩ませている 。
彼女はプレッシャーすらもエネルギーに変え、多忙な理系大学のスケジュールや就活と両立させながら、力強く挑戦を続けている 。

9月の引退公演の日、すべてをやり切ったステージの裏で、彼女が最も言葉を交わしたいのは、過酷な制作期間を共に戦い抜いてきた4人の演出チームの仲間たちだ 。
互いのこだわりをぶつけ合い、悩み抜いた末に、「この4人のメンバーで本当に良かった」と涙を流しながら抱き合いたい 。
そして客席から、これまで誰も見たことがないような大歓声と「めっちゃ良かった!」という言葉が響き渡ったとき 、自らを信じて大役を託してくれた組織への最高の恩返しが完了する 。
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