STUDENT DECISION RECORDS

「挑む」を名に刻んで――空っぽだった僕が、誰かの涙に震えるまで #SDR28-0108

INTERVIEW & TEXT

冨田 裕史

2026.07.13

STUDENT DECISION RECORDS

ReWrite Career が出会った学生の「意思決定」を記録するメディアです。

学生プロフィール

前田挑武。同志社大学 学生団体CHAD所属。京都府出身。

幼少期は極度の人見知りで、1人遊びと絵本を愛する内省的な子供だった。しかし、テニスや陸上、受験勉強といった「日々の地道な積み重ね」を通じて、自らの意思で結果を出す喜びを知る。

大学進学後、ボランティア団体CHADに入団。当初はリーダー職に消極的だったが、カンボジアでのプロジェクトを通じ、先輩たちの流す「本気の涙」に衝撃を受ける。「人生で初めて、何かに心から打ち込みたい」という熱い渇望が、彼を内向的な少年から、仲間のために汗を流すリーダーへと変貌させた。



「君の名前は『挑む』。本当にかっこいい名前だね」。インタビュー中、そう言われて少し照れ臭そうに笑った顔が印象的だった。かつては、人前に出ることを恐れ、誰かの背中を追うだけの少年だった。

しかし、いま彼の前には、仲間と共に創り上げる熱狂のプロジェクトがある。これは、空っぽだった自分に「本気」という火を灯し、人生を自らの手で切り拓こうと足掻く、一人の学生の成長の物語である。

【学生時代に成したいこと】

現在、所属する学生団体CHADでの活動において、私が目指しているのは「ただのイベント成功」ではない。

準備期間の苦悩も、カンボジアの地での出会いも、すべてを含めた「誰もが本気になれる瞬間」を創り上げることだ。

卒業後、この活動を振り返った時、関わったメンバー全員が「あの時、確かに僕たちは人生で一番輝いていた」と誇らしく笑えるような状態を創る、それが今の私のゴールである。

【その道を選んだ理由】

なぜ、わざわざ泥臭いリーダーという役割を引き受けたのか。

それは、自分自身が「何者か」になりたかったからだ。

これまでの人生、私は推薦入学や日々の努力で、ある種「要領よく」進んできた。しかし、心の奥底には常に「誰かに敷かれたレールの上ではない、自分の手で勝ち取った成功」への飢えがあった。

だからこそ、未知のリーダーという重責に対し、逃げ出したいという恐怖よりも、それ以上に「自分の限界を試したい」という衝動が勝ったのである。


【原体験における共鳴ポイント】

私の幼少期は、1人遊びと静寂の世界だった。

だが、それは孤独ではなく、自分自身と深く対話する時間でもあった。テニスで壁打ちを4時間繰り返した経験や、陸上で結果が出ない悔しさを知った日々。

それらは「地道な努力は、必ず裏切らない」という確固たる行動原理として、いまの自分を支えている。

失敗を恐れず挑戦できるようになったのは、これらの小さな成功と挫折の積み重ねがあったからこそだ。


【覚悟が定まった瞬間】

転機は、カンボジアのプロジェクト最終日だった。

生徒たちに別れを告げる音楽が流れる中、私の前で先輩たちがボロボロと涙を流していた。

その光景を見た瞬間、胸が震えた。

彼らは、どれほどの準備をし、どれほどの熱量を注げば、ここまで本気になれるのか。これまで「本気で頑張った経験がない」ことにコンプレックスを感じていた私は、その美しい涙を見て決意した。

「僕も、誰かのためにここまで熱くなりたい」と。その日から、私のリーダーとしての覚悟は揺るがぬものとなった。


【意思決定の軸】

私の物事を選ぶ基準は、

常に「それが、自分を、あるいは仲間を成長させてくれるか」である。

たとえ困難な道であっても、そこで得られる経験や絆が、自分の価値観をアップデートさせてくれると信じられるなら、私は何度でも難しい方を選ぶ。

ワクワクできること、そして何より、仲間と共に歩めること。

それが私の意思決定を支える揺るぎない軸となっている。


【現在の挑戦】

いま直面しているのは、引退を控えた「ラストイベント」という巨大な壁だ。幹部として、このCHADの集大成をどう成功させるか。

経験豊富な仲間たちの中で、自分に何ができるのか。悩み、考え、足掻き続けている。しかし、不安はない。

過去の自分がそうであったように、いまもまた、逃げ出さずに目の前の課題を一つひとつクリアすることが、次のステージへと繋がると知っているからだ。


【誰に、何を返したいか】

引退の際、誰からどんな言葉をかけられたいか。

それは「挑武、お前がリーダーで本当に良かった」という仲間からの言葉だ。

私は、これまで私を支えてくれた親や、導いてくれた先輩たちに、最高の結果で恩返しがしたい。

彼らが見せてくれた「本気で生きるかっこよさ」を、今度は自分が後輩たちにバトンとして手渡す。そうして終わるラストイベントこそ、私の学生生活における最大の勲章になるはずだ。

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