STUDENT DECISION RECORDS

「敵を作らない」という最強の武器。野球とボランティアが教えてくれた、自立と貢献の美学   #SDR28-0119

INTERVIEW & TEXT

冨田 裕史

2026.07.31

STUDENT DECISION RECORDS

ReWrite Career が出会った学生の「意思決定」を記録するメディアです。

学生プロフィール

明治大学28卒の奥井崇洋。

幼少期より家庭環境の変化や野球という競技を通じて、不測の事態にも動じない適応力と自立心を育んできた。高校時代は野球部での活動と並行し、実行委員などの役割を「全取り」し、周囲と協力して物事を完遂する楽しさを知る。

現在は学生団体SWITCHの企画部部長として、最後のイベント成功に向け500人の集客を掲げ奔走中。「誰かを支えたい」という純粋な思いを原動力に、組織の歯車として、そして調整役として、誰からも愛されるリーダー像を追求している。



「敵を作らない」。それは一見すると優柔不断にも聞こえるかもしれないが、実際には高度な対人スキルと、周囲を巻き込む包容力がなければ成し得ない。

奥井崇洋の歩みは、常に誰かのために動き、自らの役割を全うすることの連続だった。野球のグラウンドで培った「泥臭い努力」と、組織の中で育んだ「調整力」。この二つを武器に、彼は今、自身のキャリアという未知のフィールドへ一歩を踏み出そうとしている。

【学生時代に成したいこと】

現在所属する学生団体SWITCHにおいて、奥井は集大成となるイベントの成功を目指している。彼が掲げるのは「参加者500名」という高いハードルだ。

しかし、彼にとってのゴールは単なる数字の達成ではない。組織という一つの塊の中で、企画責任者として企画を作り上げ、メンバー全員が「やりきった」と思える最高の空気を醸成すること。

それが彼が今、この場所で成し遂げたい唯一の成果である。

【その道を選んだ理由】

数あるサークルや活動の中で、なぜ彼はあえて責任の重い「企画部の部長」という役割を選んだのか。

それは、自分自身が目立つことよりも、チームを円滑に動かすことへの喜びを、過去の経験から深く理解していたからに他ならない。

周囲からの期待に応えたい、そして「次の部長がいない」という組織の課題に対し、自らが盾となって支える道を選んだのだ。厳しい環境こそが、自身の成長を最大化させると彼は知っている。


【原体験における共鳴ポイント】

幼少期、環境の変化は彼に「状況をポジティブに捉える力」を授けた。

家庭環境の変化に翻弄されるのではなく、それを自立へのステップとして受け止めた経験が、彼の価値観の根底にある。さらに、高校までの野球生活で学んだのは「練習時間が短くとも、工夫次第で強豪に勝てる」という成功体験だ。どんな条件下でも腐らず、自分に与えられたポジションで全力を尽くす。

この美学が、現在のリーダーシップにおける行動原理となっている。


【覚悟が定まった瞬間】

転機となったのは、高校の野球部時代、強豪校を相手に勝利した一戦だ。

監督からの「10回やって9回負ける相手」という言葉を跳ね返し、チーム一丸となって勝利をもぎ取ったあの瞬間。

個の力ではなく、組織としての「連携」が奇跡を生むことを彼は学んだ。この成功体験が、今の団体活動における企画作りやチームビルディングへの熱量を決定づけた。


【意思決定の軸】

奥井の意思決定には、常に「仲間との調和」がある。

物事を選択する際、自分一人だけが得をする道は選ばない。周囲の意見を丁寧に聞き、全員が納得できる解を見つけ出すこと。これが彼の軸だ。

彼の中では「皆が笑顔で取り組めるか」が、何よりの優先順位である。


【現在の挑戦】

今、奥井が直面しているのは「最終決定」の壁だ。

多様な意見を吸い上げ、調整する能力には長けているが、組織の長として時には強い決断を下さなければならない場面もある。この葛藤に対し、彼はシミュレーションを重ね、論理的な根拠を持つことで立ち向かっている。

優しさだけで終わらせず、責任ある決断を下せる人間へと成長することが、現在の最大の課題である。


【誰に、何を返したいか】

彼が活動の最後に何より欲しい言葉は、共に走り抜けた代表や副代表からの「ありがとう」という一言だ。

彼にとっての恩返しは、華やかな表彰を受けることではない。自分が支えてきた仲間が、最後に自分を必要としてくれたと実感すること。

その言葉こそが、彼が駆け抜けてきた学生生活の、何よりの勲章になるはずだ。

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