STUDENT DECISION RECORDS
INTERVIEW & TEXT
和泉 圭佑
STUDENT DECISION RECORDS
ReWrite Career が出会った学生の「意思決定」を記録するメディアです。
横浜市育ち。
小学生時代はスピーチコンテストで優秀賞に選ばれるなど、人前で話すのが得意な人気者だったが、中学進学を機に人見知りに。未経験で強豪ダンス部に入部し、実力不足に悩みながらも、「感情的にならない冷静さ」を買われて先生の推薦で部長に抜擢される。
高校は横浜平沼高校へ進学し、再びダンス部へ。コーチ不在の生徒主体の環境下でまたしても部長に選ばれ、幹部として練習改革を行い、高校史上初の地区予選1位通過を実現し、全国大会出場へとチームを導いた。
現在は日本女子大学に通いながら、早稲田大学の最大級ダンスサークル「SesSion」に所属。
多数のジャンル練習とアルバイトを両立させながら、これまでの経験から自らの適性を「振付」ではなく「統率と演出」に見出し、夏公演の演出として客観的な視点で最高のステージ作りに奔走している。

彼女がいま成し遂げたいことは、SesSionの夏公演を大成功させることである。
ただ成功させるだけでなく、「昨年の公演で生まれた反省点をすべて改善する」という高い目標を掲げている。
完璧にするのは難しいと理解しつつも、過去の妥協や疑問点を一つひとつ潰し、出演者全員が心から「楽しかった」と思える最高のステージを作り上げることに全力を注いでいる。

彼女がサークル内で「コマ責(振付師)」ではなく「演出」の道を選んだ理由は、高校時代の経験による自己理解がある。
高校時代、幹部として作品の振付や構成に関わった際、ゼロから振りを作ることへの重圧やストレスを痛感した。
大学というハイレベルな環境において、プレイヤーとしての実力で引っ張るよりも、得意な「統率力」を活かして裏側から舞台を創り上げる方が自分の適性に合っていると確信したため、演出の道を選ばざるを得なかったのである。
彼女のリーダーシップのルーツは、中学時代のダンス部での経験にある。
当時、部内で一番ダンスが下手だったにもかかわらず、「よく泣いてしまう子」や「自我が強い子」がいる中で、「感情的にならずフラットに物事を見られる」「声が大きい」という理由で先生から部長に推薦された。
この「ダンスの実力以外の部分で組織を引っ張る」という原体験が、プレイヤーとしてではなく、全体を俯瞰してまとめ上げる現在の「演出」としてのスタンスに強く共鳴している。

高校時代、彼女が組織を動かすことへの覚悟を確固たるものにしたのは、高校2年の冬から春にかけての出来事である。
選抜メンバーとして大会に出場したものの、コーチ不在の状況下でまとまりを欠き、連続受賞していた春の大会で優秀賞を逃すという大きな挫折を味わった。
「このままではダメだ」と危機感を抱いた彼女は、生徒同士で徹底的な話し合いを行い、タイマーを用いた練習など具体的な改革を実行した。
その結果、夏の関東大会で初優勝し、全国大会出場を勝ち取ったこの成功体験が、チームを本気で変える覚悟を彼女に植え付けたのである。

何かを決断する際、彼女が最も大切にしている軸は「常に客観的であること」だ。
感情や単なる「やりたい・やりたくない」だけで判断するのではなく、「その選択をした際のリスク」と「しなかった際のリスク」を天秤にかけ、論理的に比較考量する。
冷静なリスク管理に基づいて意思決定を行うことが、彼女のブレないルールとなっている。
現在の彼女の最大の挑戦は、「友達」と「演出」の境界線を引くことである。
サークルの居心地が良く、メンバー同士が非常に仲が良いからこそ、演出として厳しい意見や正しい指摘をすべき場面で「傷つけてしまうのではないか」と躊躇してしまう自分に葛藤している。
流されそうになる自分を他の演出メンバーに助けられながら、組織をより良い方向へ導くため、はっきりと意見を伝えるコミュニケーションに日々挑戦している。

夏公演が終わった時、彼女が一番言葉を交わしたいのは「コマ責(振付師)」や「幹部」のメンバーである。
演出という立場上、コマ責のやりたいことを予算や時間の都合で全て叶えてあげられないなど、どうしても反対の立場になりやすく、ぶつかることも多い。
だからこそ、厳しい道のりを共に乗り越えた最後に、彼らから心からの「ありがとう」という言葉をもらえたなら、それが彼女にとって何よりの喜びであり、最高の見返りなのである。

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