STUDENT DECISION RECORDS

『歩み寄れば、人は絶対に分かり合える』幾多の挫折を乗り越えた彼女が、270人のトップとしてカンボジア支援に懸ける想い」#SDR28-0130

INTERVIEW & TEXT

和泉 圭佑

2026.08.02

STUDENT DECISION RECORDS

ReWrite Career が出会った学生の「意思決定」を記録するメディアです。

学生プロフィール

大阪府岸和田市出身。

幼少期から好奇心旺盛で、保育園時代には習字や英語など毎日5つ以上の習い事をこなす。特にピアノは厳しくも自己表現の場としてのめり込んだ。

小学3年生で弟の影響からサッカーを始めるが、男子に混ざる環境で孤立。しかし小6の最後の大会前に自作の動画でチームを鼓舞し、優勝を果たしたことで「人を巻き込む力」の原体験を得る。

中学時代はマンモス校で上には上がいるという劣等感を抱きつつ、強豪クラブチームの厳しい環境で挫折を経験。その後移籍した弱小チームでは、団結して強豪に立ち向かう青春を過ごした。

高校はサッカーを優先して進学。3年次には女子サッカー部のキャプテンと生徒会長を兼任しながら、立命館大学への一般受験に挑戦。

キャパオーバーから部内メンバーとの人間関係のもつれで孤独を味わうが、1対1の対話で部員と和解し、大阪の優秀選手賞に選出される。

現在は立命館大学経営学部に通い、国際協力団体「IROHA」の総代表として、約270人のメンバーを牽引しながらカンボジアの教育支援に奔走している。



支援のあり方は一つじゃない。誰も見捨てず、寄り添いながら、子どもたちの未来を切り拓く環境を作りたい

【学生時代に成したいこと】

彼女がいま成し遂げたいことは、国際協力団体「IROHA」の総代表として、カンボジアの教育環境を整えることである。

具体的には、現在クラウドファンディングを実施しており、屋根が崩れ落ちそうな学校を修繕するための費用として90万円を集める目標を掲げている。

さらに、国内での活動を通して年間100万円の支援金を捻出するという目標を部員全員で共有し、達成に向けて日々走り続けている。


【その道を、自らの意志で選び取った理由】

彼女がカンボジア支援にのめり込んだ背景には、大学1年生の時に参加した現地派遣での気づきがある。

最初は「貧しくてかわいそう」という先入観を持っていたが、2回目の派遣で「彼らは日本より幸せそうに笑っている」と気づき、支援のあり方に疑問を抱いた。

しかし、幸せの価値観は人それぞれであっても、屋根が崩れ学校で勉強できないという「教育環境の欠如が未来を奪うこと」だけは見過ごせないと強く感じ、本格的に支援へ力を入れるようになったのである。


【原体験における共鳴ポイント】

「自ら歩み寄れば、絶対に分かり合える」という彼女の信念は、これまでの過酷な人間関係の挫折から来ている。

小学生のサッカーチームで男子から孤立した際も、高校時代にキャプテンとして部員で孤独を味わった際も、彼女は決して他者を嫌いにならず、自分から1対1で向き合うことで関係を修復してきた。

小学校時代のコーチに、

「あんたが嫌いな奴は向こうも嫌いやねん。仲良くなりたいなら自分も好きになりなさい。」

と言われた言葉が彼女の哲学となっており、持ち前の対話を通じて巻き込む力を活かし、270人もの大規模な団体をまとめる現在のリーダーシップに深く共鳴している。


【覚悟が定まった瞬間】

総代表としての覚悟が定まったのは、2回目のカンボジア派遣を終え、次期代表を決める時期である。

カンボジアの子どもたちを救いたいという誰にも負けない強い思いと、持ち前のコミュニケーション能力で組織をまとめられるという自信から立候補を決意した。

もう一人の立候補者とも安易な多数決にはせず、1対1で互いのビジョンを腹を割って話し合った結果、相手が「そこまでの思いがあるなら任せる」と副代表に回ってくれたことで、確固たる覚悟が固まったのである。

【意思決定の軸】

彼女が組織を運営する上で最も大切にしている軸は「誰も見捨てず、常に隣にいて助けられる存在であること」である。

高校時代にすべてを背負い込んでキャパオーバーになった反省から、自分のできない実務はメンバーを信頼して任せるようにしている。

しかし、ただ放置するのではなく、進捗を確認し、困っていれば一緒に解決策を練るという密なコミュニケーションを欠かさず、「一番頑張る存在」として背中を見せ続けることを自身の哲学としている。


【現在の挑戦】

現在の彼女の挑戦は、これまで団体が支援してきた枠を超え、新たな支援先を開拓し続けることである。

これまでの支援が「マンネリ化」していないかと疑問を持ち、自らカンボジアの孤児院にアポイントを取って新たな訪問先を実現させた。

これによりメンバーのモチベーションが一段上がり、現在では支援先が7校にまで拡大したが、それに伴う資金不足というリアルな壁に対し、全員を巻き込んで挑んでいる。


【誰に、何を返したいか】

引退の瞬間、彼女が一番言葉を交わしたいのは「IROHAに関わってくれたすべての人たち」である。

一緒に活動してきたメンバーから「怜曖が総代表でよかった」と言ってもらうこと、そしてエンドユーザーである現地の人が喜ぶ姿を見ることが、彼女にとって何よりの原動力である。

自身の行動で少しでもプラスの影響を与えられたと実感できるその瞬間のために、彼女は今日も真摯に人と向き合い続けている。

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