STUDENT DECISION RECORDS

「愛され力」こそが最強の武器だ。学生団体で体現する、“森山イズム”という希望。     #SDR28-0183

INTERVIEW & TEXT

冨田 裕史

2026.08.26

STUDENT DECISION RECORDS

ReWrite Career が出会った学生の「意思決定」を記録するメディアです。

学生プロフィール

神奈川大学法学部に在籍。幼少期から「人を喜ばせたい」という純粋な想いを持ち、水泳部でのキャプテン経験を通じて、リーダーシップの本質が「人を動かすこと」ではなく「愛されること」にあると気づく。

大学入学後、目標を見失いかけていた時期に学生団体「ONELIFE」に出会い、カンボジア支援に情熱を注ぐ。困難な局面でも周囲を巻き込み、楽しむことを忘れないその姿勢は、まさに「ポジティブエンジン」そのもの。現在は、自らの経験を次世代へ引き継ぎながら、納得感のあるキャリア構築を目指して挑戦を続けている。



人前に立つと、なぜか人が集まってくる。

彼が何かを始めれば、自然と空気が明るくなる。神奈川大学で活動する森山維智には、そんな特別な「磁力」がある。しかし、本人はいたって謙虚だ。

「自分にはドラマチックな背景なんてない」。そう語る彼の言葉の裏には、幼少期からの「人を笑わせたい」という純粋な願いと、部活動での葛藤、そして失敗を恐れない「しなやかな強さ」が隠されている。これは、完璧ではないからこそ誰からも愛される、一人の青年の挑戦の物語である。

【学生時代に成したいこと】

森山が団体活動を通じて成し遂げたいこと。それは、関わるすべてのメンバーが「活動そのものを心から楽しむ」という文化を根付かせることだ。

ボランティアという社会貢献の現場において、しばしば「義務感」や「責任」が先行しがちになる。しかし、森山はそれを「楽しさ」という軸で塗り替えたいと考えている。「楽しむことを最優先にしていい」。そう体現し続けることが、組織の結束を強め、結果としてより大きな支援を生むと信じているからだ。

【その道を選んだ理由】

彼がONELIFEを選んだ理由は、極めてシンプルだ。「面白そう」という直感、そして「自分の行動が誰かの笑顔に直結する」という確信だった。

大学に入学後、かつて打ち込んだ水泳とは違う世界を模索し、一度は立ち止まる時間もあった。しかし、迷いの中にいたからこそ、本当に自分が情熱を傾けられる場所を探し求めていた。友人の誘いをきっかけに出会ったこの場所は、森山にとって、自身の持つ「人を喜ばせる力」を最大限に発揮できるフィールドだったのだ。


【原体験における共鳴ポイント】

彼の価値観の根底には、大阪出身の母から受け継いだ「笑いへの美学」がある。

小1の頃、いじめで泣いて帰宅した彼に母が投げかけた「オチは?」という言葉。それは、どんな逆境もポジティブな物語に変えようとする、強烈な愛の鞭だった。

また、中学・高校と続けた水泳部での経験も大きい。「キャプテン」という役割を与えられたとき、彼は「自分が引っ張る」のではなく「愛されることで組織を一つにする」というスタイルを確立した。これらの経験が、今の彼のしなやかな強さの原点となっている。


【覚悟が定まった瞬間】

集客統括という重責を任されたイベントの時だ。数字が伸び悩み、壁にぶつかった。しかし、そこで彼を救ったのは、彼自身が築いてきた「信頼」だった。

責任を背負うことに怖気づくのではなく、仲間と共に困難を共有し、泥臭く挑戦し続けた。結果こそ完璧ではなかったかもしれない。だが、その過程で、周囲から頼られる喜びと、組織に対する深い愛着を感じた瞬間、彼はただの学生から「責任を背負うリーダー」へと進化を遂げたのだ。


【意思決定の軸】

「楽しむこと」そして「しなやかでいること」。

これが森山の意思決定の軸である。彼は、物事を難しく考えすぎない。困難に直面したときこそ、レジリエンス(立ち直る力)を発揮し、その状況をどう楽しむかを模索する。何を選択するにしても、「それが自分らしく笑える道か」を問い続ける。彼のポジティブエンジンは、どんなに厳しい現実であっても、それを成長のための糧へと変換する力を持っている。


【現在の挑戦】

現在の最大の挑戦は、自分の中に培った「森山イズム」を次世代へ手渡すことだ。残り2ヶ月の引退までの期間、彼は新入生たちに「楽しむことの大切さ」を伝え、自分が試行錯誤して得た集客のノウハウを継承しようとしている。また、就職活動という未知の壁に対しても、失敗を「マッチングの問題」と割り切り、粘り強く情報収集を続けている。インターンの選考結果に一喜一憂するのではなく、ポジティブに、着実に歩を進めている。


【誰に、何を返したいか】

引退の瞬間、彼が聞きたい言葉がある。「森山さんがいてくれて、活動が面白かった。楽しかった」。そう後輩たちから言われることこそが、彼がこれまで歩んできた道のりへの最大のアンサーになる。

恩返しとは、特別な何かを成し遂げることではない。自分が楽しむことで、周りをも笑顔にし、その循環を後輩たちが引き継いでくれること。彼にとって、その景色を見ることが、学生生活における最高の卒業となるのだ。

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