STUDENT DECISION RECORDS

「悔しさ」こそが、私の燃料だ。国際協力団体IROHAの次世代リーダー、蟹田琢己が描く未来図。     #SDR28-0185

INTERVIEW & TEXT

冨田 裕史

2026.08.31

STUDENT DECISION RECORDS

ReWrite Career が出会った学生の「意思決定」を記録するメディアです。

学生プロフィール

兵庫県生まれ。幼少期は内気な少年であったが、スポーツを通じて外交的かつ活発な性格へと変貌。中学時代の骨折による挫折や、高校受験での悔しい経験を「自分の価値を証明するための燃料」に変えてきた。

現在は立命館大学法学部に在籍し、国際協力団体IROHAにて幹部兼広報リーダーを務める。野球やテニスで培った「周囲への細やかな配慮」と「責任感」を武器に、カンボジア支援の輪を広げるべく、デジタルマーケティングの手法を駆使して団体のフォロワー拡大に挑んでいる。



かつて、水泳の授業が嫌で泣き出し、母親から離れられなかった内気な少年がいた。その少年が今、数千人のフォロワーを抱える国際協力団体IROHAの広報リーダーとして、最前線に立っている。

彼の歩みは、決して順風満帆なものではなかった。幾度かの挫折、悔しい不合格通知、そして仲間と共に流した汗。一見、遠回りに見えるその道のりこそが、彼を「誰かのために動ける強いリーダー」へと成長させた。なぜ彼は、責任ある厳しい道を選び続けるのか。その背景には、幼少期から積み上げてきた、あるひとつの信念があった。

【学生時代に成したいこと】

私がIROHAで目指しているのは、単なる支援活動の実行ではない。関わる全てのメンバーが、高い熱量で、かつ「自分らしく」参加できる環境を作ることだ。

現在、団体のコミュニティは成熟しているからこそ、新たなメンバーが参加しにくいという課題がある。私は、全員が「この団体にいて良かった」「もっと参加したい」と心から思えるような、オープンで魅力的な組織への変革を目指している。

【その道を選んだ理由】

なぜ、あえて厳しい責任を伴う広報リーダーの道を選んだのか。それは、かつて自分が受けた恩恵を、今度は誰かに返したいという強い衝動があるからだ。

中学時代、キャプテンとして仲間や後輩に支えられた経験は、今の私にとって大きな原点となっている。誰かをリードすることは、重圧もある。しかし、信頼に応え、チームがより良い方向に進むための舵取りができる今の役割には、何物にも代えがたい「ワクワク」と「やりがい」を感じているのだ。


【原体験における共鳴ポイント】

私の行動原理は、小学3年生で始めた少年野球にある。そこで学んだのは、技術的なセンス以上に「真面目に練習に取り組む姿勢」の大切さだった。

周囲に言われる前に声を出し、泥臭く積み重ねる。その姿勢が、やがて顧問からの信頼を勝ち取り、中学でのキャプテンという役割に繋がった。怪我で離脱した際、周囲に迷惑をかけたという痛みを知っているからこそ、今、組織で誰一人置いてけぼりにしたくないという想いが強くなっている。私の優しさは、かつての悔しさと、仲間への感謝から生まれている。


【覚悟が定まった瞬間】

転機は、IROHAの活動として初めてカンボジアを訪れた時に訪れた。貧しさへのイメージとは裏腹に、そこには当たり前の日常を謳歌し、眩しいほどの笑顔で学校に通う子供たちがいた。「この子たちの将来を、もっと彩り豊かなものにしたい」。

その直感的な願いが、日本に帰国した瞬間に「具体的な行動」へと変わった。街頭募金への参加、広報の改革。支援を「観念」ではなく「現実の風景」として捉えた時、私の覚悟は完全に定まった。


【意思決定の軸】

私の選択の軸は、「やり返せるか」と「信頼に応えられるか」にある。

高校受験で第一志望に届かなかった悔しさは、大学受験での猛勉強の糧となった。そして、指定校推薦の枠を逃した悔しさは、文学部から法学部へと志を変え、より法学が強い環境で挑戦する決意へと昇華させた。負けず嫌いな性格だが、それは他者を攻撃するためのものではない。過去の自分を超え、信頼してくれた仲間たちの期待を上回る結果を出すための、ポジティブなエネルギーなのだ。


【現在の挑戦】

いま直面しているのは、イベント参加率の向上という壁だ。

私は、この課題をただの精神論で解決しようとはしていない。Instagramのデータ分析を徹底し、投稿頻度や時間帯を最適化することで、フォロワーを確実に増やしてきた実績がある。感覚だけでなく、数字という客観的な根拠を武器に、メンバーの心を動かすアプローチを模索し続けている。課題があるからこそ、それを解き明かすプロセスに面白さを感じている。


【誰に、何を返したいか】

もし、引退の時が来るならば、後輩たちから「蟹田さんがいたから、この団体は楽しかった」と言われたい。かつて私が、自分を導いてくれた先輩たちに対して「やめないでほしい」と強く願ったように。私は、今度は自分が背中で語る存在になりたい。この活動を通じて得た絆と経験は、私を育ててくれた。だからこそ、その恩を次世代へ、そしてカンボジアの子供たちへと循環させていく。それが、今の私にできる最大の恩返しだと信じている。

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