STUDENT DECISION RECORDS
INTERVIEW & TEXT
和泉 圭佑
STUDENT DECISION RECORDS
ReWrite Career が出会った学生の「意思決定」を記録するメディアです。
埼玉県浦和出身。
埼玉大学に進学し、ダンスサークル「アフタビ(After Beat Club)」の会長を務める。
幼少期の孤立や部活の早期退部といった挫折を経験しながらも、人の温かさに支えられて変化を遂げてきた。
埼玉大学のダンスサークル「アフタビ」の会長となった彼は、単なる集団の長ではなく、誰もが居場所を感じられる組織を目指して奮闘している。
2月に控える引退公演に向け、彼が組織に掲げた挑戦と、その背景にある決意の物語に迫る。

彼が学生時代に成したいのは、2月の引退公演でストーリー性のある新たな演出を確立し、全メンバーに「このサークルにいてよかった」と心から思える体験を提供することだ。
これまでの単なる短編集形式の公演から脱却し、観客だけでなく演者全員の心を動かす感動的な舞台を志している。
特に活動に悩んでいたメンバーに「辞めなくてよかった」と感じてもらえる最高の結末を残そうとしているのだ。

彼が「アフタビ」の会長という重責を担う道を選ばざるを得なかったのは、入会時に自身を温かく迎えてくれたこの環境を、自身の手で引っ張り守り抜きたいという強い使命感が芽生えたからだ。
かつて幼少期や部活動で馴染めなかった経験を持つ彼にとって、大学で出会った「アフタビ」の温かなコミュニティは特別な場所だった。
先輩たちの姿勢に刺激を受け、2年生の9月に実施された選考で熱意を示し代表へ就任した。
彼の人間性の原点は、中学校時代に友人からコミュニケーションを学び、孤独な状況から抜け出した原体験にある。
幼少期は周囲に馴染めず、小学校でも運動や習い事が長続きせず暗い時期を過ごした。
しかし、中学で人との関わり方を学んだことで人間関係が好転した。自分が救われたからこそ、集団から零れ落ちそうな仲間や周囲の感情に深く共鳴し、配慮できる強さが培われたのである。
彼の覚悟が定まった瞬間は、サークル内で時代の変化とともにメンバーの意識の乖離や運営の課題に直面し、会長としての壁にぶつかった時だ。歴代会長のような「周囲を盛り上げる圧倒的なカリスマ性」が自分には不足していると葛藤した。
しかし、逃げるのではなく「自分らしいリーダーシップで仲間を導く」と決意し、サークルの士気向上と引退公演の成功へ向けて真正面から向き合う腹をくくったのだ。

彼の意思決定の軸は、「周囲に負担をかけないか」を最優先にし、その上で「自分自身がどれだけやりたいか」を追求することだ。
大勢のサークルメンバーを動かすにあたり、仲間の感情や嫌がることを徹底的に排除する姿勢を重視している。
この軸に基づき、例え全員の賛同でなくとも共感してくれる仲間とともに花火大会などの企画を実現させ、組織の絆を深めてきたのである。
彼が現在挑んでいるのは、引退公演に向けたサークル全体の士気向上と、ストーリー性を持たせた新しい公演形式の成功だ。
副会長との役割分担やメンバー間の意識差といった組織の悩みを抱えながらも、今後半年間でサークルの結束を強めるため奮闘している。
公演チケットの確保や配布など泥臭い現場タスクも自ら牽引し、組織の運営強化を実践し続けている。

彼が恩を返したいのは、これまで活動をともに歩んできた同期や後輩たち、そして温かく迎えてくれた「アフタビ」というコミュニティそのものだ。
後輩には「出演して本当によかった」という達成感を、
同期には「一緒にやってきてよかった」という絆を返したいと考えている。
居場所の大切さを誰よりも知る彼だからこそ、全員が自分の存在価値を実感できる最高の引退公演という形で感謝を証明しようとしている。
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