STUDENT DECISION RECORDS
INTERVIEW & TEXT
冨田 裕史
STUDENT DECISION RECORDS
ReWrite Career が出会った学生の「意思決定」を記録するメディアです。
千葉で生まれ、埼玉、そして京都へと移り住んだ浦谷直樹。
幼少期から「我慢強く、弱音を吐かない」と評された彼は、家族の形が変化する中で、早くから自立心と責任感を育んできた。中学時代の恩人である祖母の急逝という大きな挫折を経て、彼は「自分を信じてくれる人のために動く」という強い使命感を持つようになる。
現在は、立命館大学で学びつつ、飲食店運営や地域コミュニティの構築に奔走する。かつて自身の居場所を守ってくれた祖母のように、今度は自分が「子供たちの未来」を支える存在になろうと、地域を巻き込んだ新たな挑戦を続けている。

幼い頃、頭から転落しても泣かずにトイレへ駆け込み、そこで初めて涙をこぼした少年がいた。誰にも弱さを見せず、自らの力で立ち上がろうとする強さは、やがて「周囲を支える責任感」へと昇華された。
かつて家族の絆に苦悩し、孤独を抱えた少年時代を過ごした浦谷直樹は、いま、京都のまちで「誰もが希望を持てる居場所」を作ろうとしている。過去の喪失を「次の世代へのバトン」に変え、絶えず挑戦し続ける彼の軌跡を紐解く。

僕が目指しているのは、僕がいなくても回り続ける「持続可能な地域システム」の構築だ。単発的なイベントで終わらせるのではなく、子供たちが自分たちの力で縁日を作り上げ、その経験を通じて「初めての体験」を積み重ねられる場所。
そして、地域農家や事業者と連携し、食を通じて世代が交流する。卒業までの間、僕の役割は、その仕組みをマニュアル化し、後輩や地域の次世代へ、この灯火を確実に引き継ぐことにある。

「厳しい道」や「責任ある役割」を選び続けているのは、それが誰かの役に立つと確信できるからだ。
高校時代の部活での挫折、そして家庭環境の変化。数々の選択肢の中で、あえてリーダーシップや裏方の重責を担ったのは、それが最も「自分の存在が誰かの支えになっている」ことを実感できる道だからである。僕にとって、楽な道を選ぶことよりも、自分が責任を全うし、結果として誰かの力になれることの方が、圧倒的に価値がある。

幼少期の「泣きたい気持ちを我慢した」経験は、今振り返れば、自分を守るための強さだった。
そして、中学時代に祖母と過ごした時間は、僕にとって唯一無二の安らぎであり、無償の愛を知った原体験だ。どんなに辛い時も、僕の活動を応援してくれた祖母。その存在があったからこそ、僕は「自分も誰かにとっての希望でありたい」と願うようになった。かつての僕が抱えていた閉塞感を、今の子供たちには味わってほしくない。その思いが、行動原理の根底にある。
高校の合格通知を報告した当日、祖母が倒れ、そのまま帰らぬ人となった。あの日、僕は大きな喪失感と共に、深い絶望を経験した。
しかし、だからこそ決めたのだ。僕が生きているのは、おばあちゃんがくれた時間を全力で生きるためだと。あの時、自分の力で道を切り開き、高校へ進むと決めた覚悟こそが、現在の地域活動へ向かうエネルギーの源泉であり、何があっても挑戦を止めないという強い意志の礎となっている。
僕の選択の軸は、「自分の努力が、誰かの希望に直結しているか」だ。興味があるか、損得があるかではなく、「その行動が、関わってくれる仲間や子供たちの未来を明るくするか」を基準にしている。どんなに忙しくても、その先に「誰かの笑顔」や「成長」という確かな手応えが見えているなら、迷わずその道を選ぶ。それが自分自身を突き動かす、最も強力なモチベーションなのだ。

いま最大の課題は、僕がいなくてもこのコミュニティが継続できるモデルを作ること。特に、子供食堂やマルシェの運営において、経済的に依存するのではなく、地域資源(食材や場所)を循環させる仕組みづくりに挑戦している。
時には協力が得られず、自分のキャパシティを超えるほどの負荷がかかることもあるが、地域を巻き込むことで、一人の限界を超えた価値を生み出そうとしている。壁にぶつかっても、それを仕組みで解決する。それが今の僕の戦い方だ。
卒業の時、誰からどんな言葉が欲しいか。
それは「あなたがいてくれてよかった」という一言だけで十分だ。
祖母が僕にくれた希望を、今度は僕が誰かに手渡したい。そして、次世代のリーダーたちに、「浦谷という男がいたから、自分たちもここまで来れた」と言わせたい。それが、僕なりの恩返しだ。
何歳になっても挑戦を続ける背中を見せることで、僕に関わった人たちが「自分もまた、何か新しいことを始めよう」と思えるような、そんな連鎖を生み出したい。
この学生に会いたい!応援したい!!
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