STUDENT DECISION RECORDS
INTERVIEW & TEXT
和泉 圭佑
STUDENT DECISION RECORDS
ReWrite Career が出会った学生の「意思決定」を記録するメディアです。
熊本県出身。幼少期からインドア派で、小学校では図書館の本を端から読むチャレンジをするなど知的な一面を持つ。
中学時代は美術部に所属し、大人しめの友人とゲームを楽しむ日々を送る。熊本県立第二高校の理数科に進学後は放送部に入部し、自分の声で表現する楽しさを経験。
西洋の言語や思想にロマンを感じ、東京への憧れから武蔵大学ヨーロッパ文化学科へ進学する。大学入学後、ダンスサークル「STEPS」で初めて人生を懸けてのめり込めるダンス(POP)に出会う。現在はPOPのジャンリー(指導者)として、後輩の育成と最高のショーケース作りに奔走している。

彼がいま成し遂げたいことは、STEPSのPOPジャンリーとして「引退公演で最高のショーケース(作品)を創り上げること」である。
そして、サークル内にとどまらず、大学在学中に外部のダンスバトルで優勝するという、ダンサーとしての個人的で熱い野望も胸に秘めている。
彼がPOPを牽引するジャンリーの道を選んだ背景には、切実な状況と強い使命感がある。
実は、同期の中でPOPをメインジャンルとして踊り続けているのは彼ただ一人であった。「自分がやるしかない」、そんなやらざるを得ない状況が、彼を指導者の立場へと押し上げたのである。

大学でダンスに出会うまで、彼には「これだ」と熱心に打ち込めるものがなかったという。
しかし、中学での美術部や高校での放送部、あるいは小説を読むことなど、「自己表現」への興味と探求心は常に彼の根底にあった。幸運なことに、彼の好きなものを否定しない自由な家庭環境があり、その温められ続けた表現欲求が、大学のダンスサークルというアットホームな環境で一気に爆発し、彼をダンスの虜にさせたのである。
サークル入会当初、彼は分かりやすく技の成否が出るブレイクダンスをやろうと考えていた。
しかし、入会して最初のイベント練習中、先輩が踊るPOPを見て「これはすごい」と激しく心を奪われたのだ。
2回目のイベントからPOPを取り始め、1年生の引退公演の時期には「POP一本でいく」と確固たる覚悟を定めた。
ジャンリーとして彼が最も大切にしている軸は、「後輩たちにPOPを楽しんでもらうこと」である。
彼が下級生の頃、POPはサークル内で人が少ない「絶滅危惧ジャンル」であった。
だからこそ、ただ厳しい練習を強いるのではなく、まずはダンスの楽しさを味わってもらい、POPの人口を増やし、愛されるジャンルにしたいという思いが何よりも先行しているのである。

現在の彼の課題であり挑戦は、「ベース技術の習得に時間がかかるPOPにおいて、後輩たちを自分が表現したいショーのレベルまで引き上げること」である。
初心者もいる中で、彼らに技術を教え込みながら、同時に自分自身のダンススキルも限界突破させなければならないという、途方もない壁に真っ向から挑んでいる。
引退公演のステージを終えた後、彼が一番言葉を交わしたいのは、共に踊った後輩たちと、自分が何もできないペーペーの時から見守ってくれた1、2個上のPOPの先輩2人である。
「POP、めっちゃ良かったよ」。
その一言を先輩たちから引き出すことこそが、彼がダンスに捧げた大学生活の最高の見返りなのである。

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