STUDENT DECISION RECORDS
INTERVIEW & TEXT
光延 優佑
STUDENT DECISION RECORDS
ReWrite Career が出会った学生の「意思決定」を記録するメディアです。
神戸大学2年、滋賀県出身。
幼少期からピアノや英語に打ち込み、中学校ではバレーボール部で強豪校撃破を経験。
膳所高校進学後、未経験でボート部に入部し、鹿児島国体4位や日本代表選考レース選出などの実績を残す。100人規模の部活動でキャプテンを務めるも、県大会敗退で、最後のインターハイ出場を逃し挫折を経験。
神戸大学国際人間科学部こども教育学科進学後、ボランティアサークル「ユメアソビ」へ入会。創設間もない組織で1年次から異例の代表に就任。現在は補助金の獲得や理念策定、一人ひとりに寄り添った組織基盤の強化に取り組み、子供たちが他人軸ではなく「自分軸」で生きられる居場所作りに挑んでいる。


かつて、テストの点数や他者からの評価という「他人軸」の中で、愚直にオール5を取り続ける優等生がいた。高校時代には未経験からボート競技に飛び込み、鹿児島国体4位という輝かしい実績を残しながら、100人規模の部活をキャプテンとして牽引。しかし、最後のインターハイ予選での不本意な敗北と、焦りから周囲を追い詰めてしまった後悔が、彼女の心に大きな傷跡を残した。
だが現在、神戸大学2年の小林真桜は、子供向けボランティアサークル「ユメアソビ」の代表として、輝くような笑顔で組織の最前線に立っている。過去の挫折と葛藤を「他者への圧倒的な伴走力」へと反転させ、子供たちと仲間が「自分軸」で輝ける場を創り出す彼女の、静かで熱い挑戦に迫る。
彼女が今、大学生活をかけて成し遂げたいのは、「子供たちやサークルメンバー、そして自分自身が、他人の目や評価にとらわれず、自分の『やりたい』という意思を発見し、アソビゴコロを持って安心して踏み出せる最高の居場所を築くこと」だ。
多くの大学生がサークルを気楽な日常の娯楽として楽しんだり、アルバイトや早期の就職活動など個人の生活を優先する中、彼女があえて選んだのは、創設3年目のサークル「ユメアソビ」の全責任を負い、1年次から代表として組織の土台をゼロから作り上げる道だった。

なぜ、彼女はあえて1年生という若さで代表という重責を引き受けたのか。それは、創設者である先輩が築いてくれた「アソビゴコロを持って、子供たちと本気で向き合う」という温かい土台を深くリスペクトした上で、「組織の仕組みを整え、ユメアソビを想いのつながる持続可能な居場所にしたい」と強く確信したからだ。
周囲が穏やかなキャンパスライフを送る中、彼女は単に楽しいだけで終わらせない決意をした。メンバーと共に神戸市の補助金を勝ち取り、外部団体や保護者はもちろん、何より子供たちやメンバーとの信頼関係構築を大切にしながら、15名以上の新入生を迎える体制を構築。現状の良さを尊重しつつ、組織のポテンシャルを最大化させるための高みへ向かわざるを得なかったのだ。

彼女を突き動かす原動力は、中学時代の父親からの激しい叱責と、高校時代のボート部での壮絶な挫折だ。
中学時代、良い高校を目指してテストの点数を追っていた彼女に、父は「お前は偏差値や点数のためだけに勉強しているのか。自分が何を学びたいのかを見つめろ」と問いただした。この言葉が、他人の評価ばかりを気にする自分に気づく強烈な転換点となった。
さらに高校時代、主将として国体4位まで上り詰めながら、最後のインターハイ出場を逃す敗北。焦りから周囲を追い詰めてしまった後悔から、彼女は「成果だけに囚われ、周囲の気持ちを置き去りにしてはいけない。全員が納得して走れる環境を作らなければ意味がない」という強い教訓を得た。この痛みが、現在の「一人ひとりに寄り添う対話」や「全員が居心地の良さを感じられる安心安全な居場所作り」への強い情熱(ガソリン)となっている。

“一参加者”から“組織を背負うリーダー”へと腹を括った転機は、大学1年の秋、創設者の先輩から「代表を任せたい」と託された瞬間だった。
周囲からは「1年で代表なんて早すぎる」と思われるかもしれない。だが、高校時代に100人の主将として構造を考え抜いた彼女の中に、逃げる選択肢は無かった。
「勝敗という明確な数字がないボランティアだからこそ、自分が腹を括って『人生は最高のユメアソビ -Live with アソビゴコロ-』というモットーを体現する居場所を創り出してみせる」
そう覚悟を決めた瞬間、彼女の迷いは完全に消え去った。
彼女がこの挑戦のために手放したものは、「高校時代の激闘を終えて掴んだ、何にも縛られない気楽な大学生活」と「他人からの評価だけを気にしていればいい楽な生き方」だ。
一人暮らしを始め、自立した生活を送る中でも、彼女は自分のためだけに使う時間を選ばなかった。代表として組織の課題やメンバー間の熱量差に向き合い、泥臭く一人ひとりの本音に耳を傾ける。時には答えのない問いに頭を抱えながらも、他人のせいにする安全地帯を完全に捨て去ったのだ。
「アソビゴコロを持って自分軸で生きる」
他人の評価や数字ではなく、自分自身と仲間が「何にワクワクし、どう生きたいか」を追求する。その姿勢こそが、彼女が組織と向き合う不変の美学である。

現在、彼女がぶつかっている壁は、「明確な勝敗がないボランティアにおいて、メンバー全員と一緒に高い熱量とアソビゴコロを原動力に同じ方向を向いて進んでいくこと」だ。
ボート部時代のような数値化できる目標がないからこそ、体験を通して子供やメンバー、そして自分自身が「自分軸」を獲得できるよう言語化しなければならない。彼女は今、理念の浸透、神戸市補助金の運用、個別対話、外部パートナーとの連携を推進し、居場所作りを見据えた組織作りという高いハードルに挑んでいる。
彼女が一番に成果を届けたい相手。それは、サークルに通ってくれる子供たち、共に走るメンバーたち、自分自身、そして小6で出会いバレーもボートも切磋琢磨してきた、いつもそばにいてくれる親友だ。
将来、子供たちが大人になった時、「ユメアソビがあったから、今の自分軸で生きる自分がいる」と振り返ってくれた時、サークルメンバーが「真桜さんのもとで活動できて、自分軸が見つかった」と笑顔で語ってくれた時、そして自分自身が「私らしく生きられている」と胸を張れた時、彼女の挑戦は真の成功を迎える。
「人生は最高のユメアソビ -Live with アソビゴコロ-」という理念を胸に、彼女は今日も子供たちと仲間と共に走り続けている。
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
ReWrite Career では、記事に登場する学生をはじめ、本気で挑む学生との出会いをつくっています。企業の方はお気軽にご相談ください。